添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は、神奈川県小田原市にある日本初の「漁港の駅」として知られる「漁港の駅 TOTOCO小田原」を徹底解説します。相模湾に面した小田原漁港のすぐそばに立地するこの施設は、新鮮な地魚をはじめ、干物・かまぼこといった小田原ならではの水産加工品、地元農産物まで、約1,600種類の商品が揃う”魚のテーマパーク”です。なかでも注目は、3階で楽しめる「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」の制限時間59分のお刺身食べ放題。週末には県外からも多くのファミリーが訪れるほどの人気を誇ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 漁港の駅 TOTOCO小田原 |
| 住所 | 神奈川県小田原市早川1番地28 |
| 営業時間 | 1階 9:00〜17:00/2階 10:00〜17:00(LO 16:00)/3階 平日10:59〜17:00・土日10:30〜17:00(LO 16:00) |
| 定休日 | 年中無休 |
| 駐車場 | 166台(バイク駐輪場15台) |
| 最寄り駅 | JR東海道本線 早川駅 徒歩約10分 |
| 車でのアクセス | 西湘バイパス早川ICより約2分/小田原厚木道路小田原西ICより約4分 |
来場前に知っておきたい注意点
TOTOCO小田原は人気施設のため、特に土日祝日は開館前から行列ができることもあります。3階のおさしみ食べ放題は予約制(GW期間など一部を除く)となっていますが、当日分が埋まってしまうケースもあるため、休日に訪れる際は事前予約が確実です。
また、最寄り駅は「小田原駅」ではなく、ひとつ西側の「早川駅」であることに注意が必要です。小田原駅から徒歩で向かうと30分以上かかるため、車やJR早川駅からのアクセスを選ぶとスムーズです。駐車場は計166台を完備していますが、週末は満車になる場合もあります。
相模湾と小田原漁港の歴史的背景
漁港の駅 TOTOCO小田原が誕生したのは2019年のことですが、そのベースとなる「小田原漁港(早川漁港)」の歴史はずっと古くに遡ります。室町時代前後にはすでに漁業が営まれていたとされ、江戸時代には東海道の宿場町・城下町として発展した小田原とともに、漁港も活気ある港町として機能していました。小田原は北条氏の城下町として繁栄した後、徳川幕府の治世下でも東海道五十三次の宿場として栄え続け、その地の利が交易・水産業の発展を後押しした土地です。昭和22年ごろから本格的な整備が進み、昭和43年頃に現在のような形の漁港として完成。以降、神奈川県西部最大の水産地方卸売市場を擁する漁港として、水産業の中心地としての地位を確立してきました。
相模湾は日本三大深湾のひとつとも称され、最深部が1,500mを超える深い海域を持ちます。本州の南岸に広がる同湾は、黒潮(日本海流)の影響を受け、豊富なプランクトンが育つ栄養豊かな海となっています。アジ・サバ・イワシなどの回遊魚から、底物のヒラメ・カレイ・マダコ、春の桜エビや夏のシラス、秋冬のブリ・カマスまで、四季折々に異なる魚種が水揚げされるのが相模湾の大きな特長です。小田原漁港の定置網漁は、その豊かな漁場環境を最大限に活かした漁法として知られており、朝の魚市場では新鮮な地魚が次々と競りにかけられます。真鶴半島から東伊豆にかけてはダイビングの名所でもあり、魚影の濃さはダイバーたちにも折り紙付きです。
小田原のお土産の代名詞であるかまぼこもまた、相模湾の水産文化から生まれた産物です。小田原でかまぼこ作りが盛んになったのは江戸時代とされており、東海道を行き来する旅人たちへのおみやげとして全国に名が広まりました。干物も同様で、相模湾で水揚げされたアジやイワシを干したものは「小田原干物」として高い評価を得ており、現在もTOTOCO小田原の売れ筋商品のひとつとなっています。
そんな豊かな漁場と食文化を持つ小田原で、漁港の魅力をより多くの人に届けようと生まれたのが「漁港の駅」という新しいコンセプトです。「道の駅」「海の駅」は全国各地に存在しますが、「漁港の駅」は小田原市の登録商標(登録番号:第6163121号)であり、全国でここだけの施設となっています。
設立の経緯と運営体制
TOTOCO小田原の設立は、2002年(平成14年)4月施行の漁港漁場整備法に端を発します。同年8月に神奈川県が策定した「小田原特定漁港漁場整備事業計画」に基づき、小田原市が事業主体となって整備が進められました。「水産業の振興と地域活性化」を明確な目的として掲げたこの施設は、条例上の正式名称を「小田原漁港交流促進施設」といい、2017年(平成29年)9月に条例が公布、同年10月に施設建設に着手しました。建設途中の2018年(平成30年)7月には台風12号の被害を受け、当初の計画から約半年遅れて、2019年(令和元年)11月22日に「漁港の駅 TOTOCO小田原」として開業にこぎ着けました。建設費は約7億円(うち補助金約1億2,000万円)です。
施設の日常的な維持管理・運営は、指定管理者制度によって民間に委託されています。現在の指定管理者は株式会社TTC(熱海市)で、伊豆地方を中心に道の駅の運営や観光土産品の企画開発を手がける地域ブランド創造企業です。鮮魚・活魚の売り場は地元の漁協と魚市場が設立した会社がテナントとして運営しており、官民が連携する形で地域密着の施設づくりが実現しています。
名称の「TOTOCO(ととこ)」は一般公募によって決まった愛称で、「魚(とと)の宝庫」を意味する小田原らしい言葉遊びから生まれたものです。子どもからお年寄りまで親しみやすい施設を目指すという思いが込められており、開業以来、累計来場者数は555万人を突破。地域住民と観光客の双方から愛されるランドマークとして定着しています。
3階の目玉!おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー
TOTOCO小田原のハイライトが、3階に構える「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」の制限時間59分食べ放題です。小田原漁港の魚市場から直送される約25種類のお刺身をはじめ、揚げ物・おかず・ご飯類もひとつの料金で楽しめます。「59分」という制限時間には、”天59(てんごく)”という語呂合わせが込められており、この施設らしいユーモアが光ります。週末は行列ができるほどの人気ぶりで、ファミリーから食いしん坊な大人まで幅広く支持されています。
料金・予約方法・混雑対策など、食べ放題を最大限楽しむための詳細情報は、下記記事で詳しく解説しています。

フロアごとに楽しみ方が変わる!TOTOCO小田原の魅力

1階フロア:地場の恵みが揃うショッピングゾーン
1階フロアは、小田原漁港から直送される鮮魚・活魚をはじめ、干物・かまぼこ・海の珍味・お惣菜・地元農産物(小田原みかんなど)まで約1,600種類の商品が並ぶ地場物産の販売コーナーです。テナントは「農産物直売所」「小田原市漁協ほうじょうのめぐみ」「惣菜石橋」の3店舗で構成されています。支払い方法は現金のほか、クレジットカード(VISA・Mastercard等)、交通系IC、楽天Edy、nanaco、WAON、QUICPayなど各種電子マネーに対応。営業時間は9:00〜17:00です。
2階フロア:個性豊かな飲食店とテラス席
2階フードコートには、2店舗の飲食施設が入っています。テラス席はペット同伴でも利用可能(施設正面向かって右手奥の外階段よりアクセス)で、相模湾のオーシャンビューを眺めながら食事を楽しめます。
小田原漁港とと丸食堂
小田原漁港直送の鮮魚を使った海鮮料理が自慢の食堂です。「湘南しらす3種丼」をはじめ、まぐろ赤身丼、釜揚げシラスどっさり丼、旬の地魚を使った各種丼・定食など、バラエティ豊かなメニューが揃います。
- 営業時間:10:00〜17:00(LO 16:00)
- 支払い:現金、交通系IC、nanaco、WAON、Edy、ID
小田原漁港カレー
2025年春にオープンした海鮮カレー専門店です。市場から直送される魚介をふんだんに使い、スパイスとともに煮込んだ旨みたっぷりのカレーは、生魚が苦手な方やお子様にも好評です。ここでしか食べられないオリジナルのルーが売りで、ファミリー利用でも立ち寄りやすいメニュー構成となっています。
- 営業時間:平日 11:00〜LO 15:00/土日 10:00〜LO 16:00
3階フロア:食べ放題「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」とオーシャンビューテラス
前述の「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」があるフロアです。店舗外の階段からアクセスできるテラス席ではペット同伴も可能で、相模湾を一望しながらのひとときが楽しめます。

TOTOCO小田原 1階お土産人気ランキング
1階フロアで特に人気を集めているお土産をランキング形式でご紹介します。
1位:小田原干物(アジ・イワシなど)
相模湾で水揚げされた地魚を使った小田原干物は、TOTOCO小田原ならではの一品。漁港直送の鮮魚を干したものだけあり、旨みの凝縮度が市販品とは一線を画します。アジの干物は小田原の定番中の定番で、贈答品としても人気が高く、冷蔵・冷凍対応のパッケージで持ち帰りやすくなっています。
2位:かまぼこ・練り物
小田原はかまぼこ発祥の地としても名高く、1階の「惣菜石橋」や「ほうじょうのめぐみ」では地元メーカーの多彩な練り物が揃います。板かまぼこはもちろん、揚げかまぼこ・ちくわ・はんぺんなど種類豊富で、その場でつまみながら楽しめるものも。東海道の旅人に愛された小田原の食文化を今に伝える逸品です。
3位:いくら醤油・雲丹醤油(調味料)
調味料選手権で総合1位を受賞した「いくら醤油」と、グランプリ受賞の「雲丹醤油」は、テレビ番組でも紹介されたTOTOCO小田原の看板商品です。ご飯にかけるだけでいくら丼のような風味を楽しめる「いくら醤油」は、帰宅後の食卓がすぐに豪華になると口コミでも高評価。いずれもギフト対応可能で、手みやげとして喜ばれる定番アイテムです。
4位:小田原みかん・地元農産物
農産物直売所コーナーでは、小田原産の柑橘類や旬の野菜が直売されています。温暖な気候に恵まれた小田原のみかんは甘みが強く、シーズン中は地元の食べ比べを目的に足を運ぶ人も多くいます。
5位:海の珍味・お惣菜
きゃらぶきやあさりの佃煮、酒の肴になる珍味類も人気です。「惣菜石橋」が提供するお総菜は地元の食材を活かした家庭的な味わいで、その日のうちに楽しめる即食土産としても重宝します。
子どもも大人も楽しめる仕掛けが満載
TOTOCO小田原は、海鮮グルメだけでなく、ファミリー向けのエンターテインメント要素も充実しています。施設に入って目に飛び込んでくるのが「蒲鉾キャッチャー」。かまぼこ型のおもちゃをクレーンゲームで取ると、オリジナルグッズがもらえるユニークな仕掛けです。お子さんを連れた家族連れが列をなすほどの人気スポットとなっており、魚の食文化に興味のないお子様でも楽しめる工夫が随所に施されています。
また、1階から3階へと続く館内の階段には、イラストとモニターを使った相模湾の地魚の紹介パネルが展示されており、遊びながら魚の種類や特徴を学ぶことができます。子どもの「なんの魚?」という疑問に答えながら階を上るだけで、相模湾の魚種がひと通り頭に入るほど充実した内容です。
スイーツも個性的なラインナップで、1階の「小田原漁港プリン」コーナーでは、魚が泳いでいるようなキラキラとした見た目の「小田原漁港プリン」が人気を集めています。ソフトクリームには「小田原提灯ソフト」や「レモンソフト」など、小田原ならではのフレーバーが揃います。食べ放題の前後に立ち寄るだけでも十分に楽しめる、充実した1階フロアです。
さらに、TOTOCO小田原は公式オンラインストアも展開しており、来場後に「もう一度あの味を」と思った際にも対応可能です。調味料選手権で総合1位を受賞した「いくら醤油」や、グランプリ受賞の「雲丹醤油」など、ここでしか出会えないような逸品を自宅でも取り寄せることができます。
合わせて訪れたい小田原の観光スポット
小田原城址公園
JR小田原駅から徒歩約10分に位置する小田原城址公園は、北条氏の居城として関東最大規模を誇った小田原城の跡地です。現在の天守閣は1960年に再建されたもので、内部は郷土文化館として公開されています。「日本さくらの会」が選ぶ「さくら名所100選」にも選ばれており、約300本のソメイヨシノが咲き誇る春の風景は格別。秋の紅葉も見応えがあり、年間を通じて小田原観光の中心地として多くの来場者を集めています。
西海子小路(さいかちこうじ)
小田原城址公園からほど近い位置にある西海子小路は、江戸時代に武家屋敷が立ち並び、明治から昭和にかけては文学者たちが居を構えた風情ある小路です。詩人・北原白秋がこの地をなぞらえた童謡を多く残したことから「白秋童謡の散歩道」として知られており、春には小路の両側を桜が覆う美しい桜のトンネルが出現します。約51本の桜が咲き誇る景色は、小田原観光協会が推薦する桜スポットのひとつでもあります。
小路の一角には、登録有形文化財に指定されている洋館「小田原文学館・白秋童謡館」が建ち、建築としても見応えがあります。TOTOCO小田原からは車で約10分。小田原城とセットで訪れたい散策スポットです。
小田原別邸料理 清閑亭
1906年(明治39年)に貴族院副議長・黒田長成侯爵の別邸として建てられた歴史的建造物で、旧小田原城三の丸外郭土塁の南向き傾斜地に位置します。2005年に国の登録有形文化財に指定され、その後は観光施設として親しまれてきましたが、2024年3月に「小田原別邸料理 清閑亭」として新たに再出発しました。
現在は、数寄屋風書院造りの趣ある建物の中で、二十四節気に合わせた旬の食材を使ったコース料理や日本料理が楽しめる日本料理店として営業しています。小田原漁港で水揚げされた旬の地魚も料理に取り入れられており、TOTOCO小田原での海鮮グルメとは異なる角度から小田原の食文化を堪能できます。建物に隣接する蔵を改装した「蔵カフェ」では、市松寄せ寿司やすすり餡子など個性的なメニューを気軽に楽しめます。晴れた日には母屋から真鶴半島や相模湾が一望でき、2階と庭園の見学も可能です。
TOTOCO小田原からは車で約10分。ランチや夕食に立ち寄ることで、小田原の歴史・文化・食を一日で満喫するコースが組めます。
鈴廣かまぼこの里
小田原が誇る伝統食「かまぼこ」の老舗、鈴廣が運営するテーマパーク的複合施設です。かまぼこ手作り体験や工場見学ができるほか、かまぼこ博物館や直売所、レストランなどが集まり、一日楽しめます。TOTOCO小田原から車で約5分と近く、セットで立ち寄るコースも人気です。
周辺のおすすめ宿泊施設
ヒルトン小田原リゾート&スパ
TOTOCO小田原から車で約10分。標高183mの高台に位置し、全163室が相模湾に面したオーシャンビューを誇る本格リゾートホテルです。
朝食ビュッフェはレストラン「ブラッセリー フローラ」で提供されており、和食・洋食の王道メニューに加えて、小田原らしい魅力が光る「海鮮ステーション」が人気です。しらす・まぐろ・鯵など日替わりで並ぶ海鮮をご飯の上に自由に盛り付け、自分だけのオリジナル海鮮丼を作れるコーナーは、TOTOCO小田原での海鮮グルメに続く”小田原海鮮づくし”な旅を演出してくれます。
水着で楽しめるプール施設「バーデゾーン」は屋内外合わせて10種類のプールを完備し、宿泊者は無料で利用可能です。なかでも子どもたちに人気なのが、きのこ型の噴水プール。あらゆる方向から水が噴き出す演出が楽しめ、はしゃぐ子どもたちの声が絶えません。1歳以上(水遊び用おむつ使用で可)から入場できる点も子連れファミリーには嬉しいポイントです。天然温泉大浴場やテニス、スパ、岩盤浴など施設が充実しており、箱根方面への観光拠点としても機能します。最寄り駅はJR根府川駅で、無料シャトルバスも運行しています。

THE VIEW 小田原 城の見えるホテル
小田原駅から徒歩約1分という利便性の高い立地にあるホテルで、その名の通り小田原城を望める客室が魅力です。TOTOCO小田原からは車で約8分。小田原観光の拠点として、清潔感と機能性を備えた快適な施設です。

湯本富士屋ホテル
箱根湯本駅から徒歩約3分の位置にある老舗ホテルで、早川のせせらぎと緑に囲まれた落ち着いた環境が自慢です。TOTOCO小田原からは車で約15分ですが、箱根湯本温泉の湯を楽しみながら翌日に箱根観光も組み合わせる旅程を検討している方に最適です。

小田原海鮮グルメの決定版、ぜひ一度訪れてほしい
漁港の駅 TOTOCO小田原は、新鮮な相模湾の海鮮を「食べる」「買う」「学ぶ」という多角的に楽しめる、全国で唯一無二の施設です。3階のお刺身食べ放題は家族旅行の目的地としても申し分なく、1階の豊富なお土産コーナーは帰り道に立ち寄るだけでも価値があります。東京から日帰りでもアクセスしやすい小田原という立地も魅力で、箱根観光と組み合わせた神奈川旅行の定番コースとして強くおすすめできるスポットです。
休日は早い時間帯から混雑するため、3階のお刺身食べ放題を目的に訪れる場合はぜひ事前予約を活用して、旬の相模湾の魚介を存分に堪能してください。

