添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は新潟県南魚沼郡湯沢町に位置する湯沢高原スキー場を特集します。世界最大級のロープウェイで標高1,000メートルの銀世界へアクセスできるこのスキー場は、初心者からエキスパートまで幅広く楽しめる魅力的なスノーリゾートとして知られています。
越後湯沢温泉街から徒歩圏内の好立地
湯沢高原スキー場は、越後湯沢駅から徒歩約10分という驚異的なアクセスの良さを誇ります。川端康成の小説『雪国』の舞台として有名な越後湯沢温泉街に位置し、スキー場と温泉文化が見事に融合した立地です。
関越自動車道湯沢インターチェンジからは約3キロメートル、車でわずか5分程度という近さも特筆すべき点です。東京駅から上越新幹線を利用すれば最短約75分で越後湯沢駅に到着でき、首都圏からの日帰りスキーも十分可能な距離にあります。
温泉街の中心部から無料シャトルバスが運行されており、ロープウェイ乗り場まで約2分でアクセスできます。スキーを楽しんだ後は、徒歩圏内に点在する日帰り温泉施設で疲れを癒すことができるのも、このスキー場ならではの魅力です。
混雑を避けられない人気ぶりへの懸念
湯沢高原スキー場は越後湯沢エリアでも人気の高いスキー場であるため、週末や祝日、さらに年末年始などの繁忙期には混雑が避けられません。特に世界最大級のロープウェイは定員166人という大容量を誇るものの、乗車待ちの時間が発生することもあります。
また、隣接するガーラ湯沢スキー場や石打丸山スキー場と連結した「湯沢スノーリンク」によって広大なエリアを滑走できる反面、他のスキー場からの流入も多く、特に好天時の高原エリアは賑わいを見せます。
駐車場は約200台分が用意されていますが、ハイシーズンには早い時間帯で満車になることもあるため、公共交通機関の利用や早めの到着がおすすめです。混雑を回避したい方は、平日の利用や午前中早めの時間帯を狙うとよいでしょう。
100年以上の歴史を刻む布場スキー場からの歩み

湯沢高原スキー場が位置する山麓エリアは、かつて「布場スキー場」と呼ばれ、南魚沼郡では最古のスキー場として知られていました。その歴史は1913年まで遡ります。郵便局員の本間栄太郎が高田師範でのスキー講習に参加し、スキー用具一式を持ち帰ったことで初めて湯沢村にスキーが持ち込まれたのです。
1919年には新潟県の主催で南魚沼郡の学校教員等を集めて布場で第2回スキー講習会が開かれ、これをきっかけにスキー場としての整備が本格的に始まりました。1922年に湯沢小学校がスキー50台を備えて布場でスキー大会を開催すると、スキー場としての評判が高まっていきます。
1925年に上越北線の越後湯沢駅が開業すると、越後湯沢温泉とともに年々利用者が増加しました。1927年には山小屋風のスキー小屋が建てられ、1929年にはスキー客相手の出店も見られるようになります。1931年に清水トンネルの完成で上越線が全線開通すると、関東方面からのスキー客が急増。国鉄山の家が建てられ、食堂や土産物屋、旅館等の施設が充実していきました。
1935年から発表が始まった川端康成の小説『雪国』に出てくる「スキイ場」は、まさにこの布場スキー場のことです。文学作品を通じて全国的にその名が知られるようになり、雪国情緒あふれるスキー場として多くの人々を魅了しました。
1955年に湯沢村が周辺の自治体と合併して湯沢町が発足すると、年末の12月には布場第一リフトが営業を開始します。三国トンネル完成に伴う国道17号の全線開通による旅客の増加や、雪質の良さに着眼して大峰山の東面「湯沢高原」の開発が進められ、1959年に町営の湯沢温泉ロープウェイと湯沢高原スキー場が誕生しました。1964年には国民宿舎湯沢高原ロッジが作られ、本格的なスキーリゾートとしての体制が整います。
1963年公開の映画『喜劇初詣列車』や、1969年公開の映画『恋の季節』のロケ地にもなり、映像を通じて湯沢高原スキー場の魅力が全国に発信されました。1976年には、上越新幹線の工事に伴い、諏訪神社の境内にあった天満宮の社殿を布場に移設して「スキー神社」が建立されます。湯元の薬師堂とともに「スキーと温泉の越後湯沢」のシンボルとして、今も多くのスキーヤーに親しまれています。
世界最大級のロープウェイで空中散歩を満喫

湯沢高原スキー場の最大の特徴は、166人乗りという世界最大級のキャパシティを誇るロープウェイです。全長約1,300メートルを約7分間で結び、標高約370メートルの山麓駅から標高約1,000メートルの山頂駅まで一気に上昇します。
赤い「アルペンフローラ号」と青い「ホワイトシュプール号」の2台が運行しており、大きな窓からは谷川連峰、巻機山、越後三山といった雄大な山々のパノラマが広がります。冬季の澄んだ空気の中、眼下に広がる白銀の世界と青空のコントラストは圧巻の美しさです。
ロープウェイはスキーやスノーボードをしない観光客も利用可能で、山頂駅前には「雲の上のカフェ」として親しまれるkumo cafeが営業しています。標高1,000メートルの絶景を眺めながら、ゆっくりとコーヒーやスイーツを楽しめる贅沢な時間を過ごせます。
山頂からの景色は四季折々に表情を変え、冬のパウダースノーに覆われた山々、春の新緑、夏の高山植物、秋の紅葉と、一年を通じて自然の美しさを堪能できる展望スポットとなっています。
初心者から上級者まで楽しめる多彩なコース構成

湯沢高原スキー場のゲレンデは、大きく分けて「高原エリア」(旧:湯沢高原ゲレンデ)と「山麓エリア」(旧:布場ゲレンデ・布場ファミリーゲレンデ)の2つのエリアで構成されています。それぞれのエリアには特徴的なコースが設置され、スキーヤーやスノーボーダーのレベルに応じた多彩な滑走体験が可能です。
高原エリアの絶景コース群
高原エリアは標高約1,000メートルから標高約1,170メートルにかけて広がり、初級コース、中級コース、上級コースが絶妙なバランスで配置されています。最大斜度28度という本格的な斜面もあり、上級者も満足できる滑りごたえのあるコースが揃います。
パノラマコース
高原エリアを代表する絶景コースです。滑走しながら谷川連峰や越後三山の雄大な景色を楽しめ、中級者がロングランを満喫できる人気コースとなっています。コース幅も広く、ターンの練習にも最適です。晴れた日の青空と白銀の山々のコントラストは、何度訪れても感動する美しさです。
スズランコース
眺望の素晴らしさに定評があるコースで、中級者が気持ちよく滑走できる適度な斜度が続きます。コース名の由来となったスズランの花が夏季には咲き誇るエリアでもあり、グリーンシーズンとの対比も楽しめます。ロングターンで流れるように滑る爽快感が魅力です。
キスゲコース
高原エリアの中でも比較的緩やかな斜面が続き、初中級者が安心して練習できる環境が整っています。コース幅が広く取られているため、周囲を気にせずゆったりと滑走できます。スキルアップを目指す初級者が次のステップへ進むのに最適なコースです。
コスモスコース
キスゲコースと同様に初中級者向けの緩斜面が特徴で、家族連れやグループでの滑走に人気があります。コース名は夏季に咲くコスモスの花に由来しており、四季折々の自然を感じられるネーミングとなっています。
青いケシコース
上級者向けの急斜面コースで、テクニックを磨きたいエキスパートにおすすめです。最大斜度に近い急斜面が続き、カービングターンやコブ斜面での技術向上に挑戦できます。スリリングな滑走を求める上級者に人気の挑戦的なコースです。

山麓エリアのファミリーゾーン
山麓エリアは初級者向けのコースで構成され、スキーデビューやファミリーでの雪遊びに最適な環境です。
ファミリーコース
全般的になだらかで初心者の練習に最適なコース(旧:布場ファミリーゲレンデ)です。緩やかな斜面でゆったりと練習でき、転倒しても安全な環境が整っています。スキーやスノーボードの基本操作を学ぶのに理想的なコースレイアウトです。
デビューコース
その名の通り、スキーデビューに最適な超初心者向けコースです。傾斜が非常に緩やかで、初めて板を履く方でも安心して滑走できます。インストラクターの指導を受けながら、基礎をしっかりと身につけられます。
コマクサ下山コース
山麓エリアと高原エリアをつなぐ「コマクサ下山コース」は、全長約5,000メートルという最長滑走距離を誇るロングランコースです。標高差約800メートルを一気に滑り降りる爽快感は格別で、景色を楽しみながらのダウンヒルが楽しめます。ただし、コース幅が狭く斜度もあるため中上級者向けのコースとなっています。
家族連れに大人気の湯沢温泉ゆきあそびパーク
山麓エリア(旧:布場ゲレンデ)には「湯沢温泉ゆきあそびパーク」(旧:布場スノーランド)が設置され、スキーやスノーボードをしない小さなお子様連れのファミリーにも大人気です。エリア最大級の規模を誇るこのパークは、雪遊びデビューに最適な環境が整っています。
ロープウェイへの乗車が不要な山麓エリアにあるため、小さなお子様連れでも気軽にアクセスでき、リフト券を購入せずに雪遊びだけを楽しむこともできます。温泉街から徒歩圏内という立地の良さも、家族連れにとって大きな魅力です。
パークの目玉は、日本最大級の100メートルフード付きスノーエスカレーターです。屋根が付いているため雪や風を気にせず安全に上部へ移動でき、スノーチュービングやソリ遊びを存分に楽しめます。36メートルのスノーエスカレーターも併設され、小さなお子様でも安心して利用できます。
スノーチュービングコースでは、専用のチューブに乗って雪の斜面を滑り降りるスリリングな体験ができます。ソリ遊びコースも広々としており、家族みんなで雪遊びを満喫できます。
パーク内にはスノーストライダー、スノーレーサー、ブロックスポンジ、スノーハウス、スノーアスレチック、ふわふわ滑り台など、多彩な雪上遊具が用意されています。子どもたちが飽きることなく長時間遊べる工夫が随所に施されており、スキーデビュー前の雪遊び体験として最適です。
ゆきあそびパークは12月下旬から3月下旬頃まで営業しており、営業時間は10時から16時までです。積雪状況により設置の有無や時期が変動するため、事前に公式サイトで確認することをおすすめします。
充実したレンタルとスクールサービス
湯沢高原スキー場のロープウェイステーション内には、充実したレンタルショップが完備されています。スキーセットやスノーボードセットは子ども用から大人用まで幅広くラインナップされ、ウェアや長靴のレンタルも可能です。
2日以上のレンタルサービスを利用する場合は、バレーレンタルサービスが便利です。スキー場での受け取りと返却がスムーズに行え、滞在中の移動も楽になります。レンタル品は定期的にメンテナンスされているため、常に良好なコンディションで使用できます。
スキースクールも充実しており、全日本スキー連盟のカリキュラムに則った「湯沢高原スキースクール」では、お子様から中高年の方まで幅広い年齢層を対象にレッスンを実施しています。親切で的確な指導により、初心者でも安心して技術向上を目指せます。
レーシングやSL、GSを専門とする「USMRスキースクール」は、より本格的な技術習得を望む方におすすめです。基礎特訓コースもあり、中上級者のスキルアップに最適な環境が整っています。
英語と中国語に対応した「POD Snowsports」は、外国人観光客や英語でのレッスンを希望する方に人気です。事前予約制となっているため、利用を希望する場合は公式サイトから早めの予約をおすすめします。
山頂グルメで特別なランチタイムを

高原エリアには複数のレストランが営業しており、標高約1,000メートルの絶景を眺めながら食事を楽しめます。地元新潟の食材を活かしたメニューや、スキー場ならではのボリューム満点のメニューが揃っています。
レストラン エーデルワイス
高原エリアのメインレストランで、カレーライスやラーメン、丼物などの定番メニューから、新潟名物の料理まで幅広く提供しています。大きな窓からは雪景色が広がり、ゲレンデの賑わいを感じながらのランチタイムが楽しめます。座席数も多く、グループでの利用にも対応しています。ボリューム満点のメニューは、午前中たっぷり滑った後のエネルギー補給に最適です。
レストラン アルピナ
地元の名店イタリアンレストランの姉妹店として営業しています。本格的なイタリアンメニューを山頂で味わえる贅沢な空間で、ミシュランで星を獲得した店舗のノウハウが活かされた料理の数々が堪能できます。店前にはコキア畑が広がり、夏季にはその美しい景色も楽しめます。ピザやパスタはもちろん、地元食材を使った創作イタリアンも人気です。スキー場とは思えないクオリティの高い料理で、特別なランチタイムを演出してくれます。
kumo cafe
山頂ならではの特別なスイーツやドリンクメニューが用意されています。雲の上をイメージした「雲の上のソーダ」は、写真映えする可愛らしい見た目で若い世代に大人気です。ゆったりと景色を眺めながら一息つける、特別な時間を過ごせます。コーヒーやホットチョコレートなどの温かい飲み物も充実しており、冷えた体を温めるのにぴったりです。
山麓のロープウェイステーション内には「湯沢マルシェ」も営業しており、地元新潟の特産品やお土産を購入できます。スキーの合間や帰り際に立ち寄って、新潟米や地酒、銘菓などを手に入れるのもおすすめです。
スキーデビューに最適な理由
湯沢高原スキー場は、スキーデビューやスノーボードデビューに特に適したスキー場です。山麓エリアが初級者向けのコースで構成されていることに加え、湯沢温泉ゆきあそびパークで雪に慣れることができるため、段階的なステップアップが可能です。
世界最大級のロープウェイは混雑時でも比較的スムーズに乗車でき、リフトに乗るのが不安な初心者でも安心して高原エリアへアクセスできます。高原エリアには初級コースも用意されているため、少し慣れてきた段階で景色を楽しみながらのロングランにも挑戦できます。
スキースクールのレッスンプログラムが充実しており、全日本スキー連盟のカリキュラムに基づいた体系的な指導を受けられます。お子様向けのレッスンも豊富で、ファミリー全員でスキルアップを目指せる環境が整っています。
レンタル品の品質も高く、初期投資を抑えながらウィンタースポーツを始められます。手ぶらで訪れても一日中楽しめる設備とサービスが揃っており、初めてのスキー場選びで迷ったら湯沢高原スキー場を選んでおけば間違いありません。
湯沢スノーリンクで3つのスキー場を制覇
湯沢高原スキー場の大きな魅力の一つが、隣接するガーラ湯沢スキー場と石打丸山スキー場と連結した「BIG MOUNTAIN 湯沢スノーリンク」です。3つのスキー場を合わせると全48コース、高低差約900メートル、全幅約5,000メートルという広大なスケールとなります。
共通リフト券である「三山共通券」を購入すれば、各スキー場間をロープウェイやリフト、無料シャトルバスで自由に移動できます。一日では回りきれないほどのバリエーション豊かなコースを楽しめ、何度訪れても新しい発見がある魅力的なスキーエリアです。
ガーラ湯沢

ガーラ湯沢スキー場は、上越新幹線のガーラ湯沢駅に直結した画期的なスキー場です。新幹線を降りてすぐにゲレンデへアクセスできる利便性の高さから、首都圏からの日帰りスキーに最適です。ゴンドラリフト「ディリジャンス」で山頂エリアへ上がれば、南エリア、中央エリア、北エリアと多彩なコースが広がります。
湯沢高原スキー場とガーラ湯沢スキー場は、ロープウェイ「ランドー」で連絡されています。このロープウェイからの眺望も素晴らしく、2つのスキー場を行き来する移動時間も楽しい空中散歩の時間となります。

石打丸山

石打丸山スキー場は、湯沢エリアでも歴史のあるスキー場の一つで、地元の人々にも愛されています。多彩なコースレイアウトと、石打丸山らしいアットホームな雰囲気が魅力です。無料シャトルバスで湯沢高原スキー場と行き来できるため、一日で両方のスキー場を楽しむことも可能です。
3つのスキー場それぞれに個性があり、初級者向けの緩やかな斜面から、上級者も唸る急斜面まで揃っています。湯沢スノーリンクを活用すれば、スキルレベルや気分に応じて最適なコースを選択でき、飽きることなくウィンタースポーツを満喫できます。

周辺スキー場で広がるスノーリゾート体験
湯沢高原スキー場の周辺には、魅力的なスキー場が多数点在しています。越後湯沢エリアは国内有数のスキーリゾート地として知られ、それぞれのスキー場が独自の特色を持っています。複数のスキー場を巡れば、さらに充実したウィンタースポーツ体験が楽しめます。
苗場スキー場
日本最長のゴンドラ「ドラゴンドラ」で田代エリアと苗場エリアを結ぶ大規模リゾートです。全長約5.5キロメートル、約25分の空中散歩は、冬の雪景色はもちろん秋の紅葉シーズンには圧巻の美しさを誇ります。広大なゲレンデには初心者から上級者まで満足できる多彩なコースが揃い、夏にはフジロックフェスティバルの会場としても知られています。
かぐらスキー場
標高差が大きく、豊富な積雪量を誇る本格派スキー場です。田代エリア、かぐらエリア、みつまたエリアの3つのエリアで構成され、上級者向けの急斜面やコブ斜面が多いのが特徴です。特に春スキーのメッカとして知られ、5月上旬まで営業するシーズンの長さが魅力で、極上のパウダースノーを長期間楽しめます。
湯沢中里スノーリゾート

JR上越線の越後中里駅から徒歩約3分という抜群のアクセスを誇るファミリー向けスキー場です。初級者向けのコースが充実し、スキーデビューやお子様連れに最適な環境が整っています。スノーパークも充実しており、フリースタイルスキーやスノーボードのトリック練習にも適しています。

湯沢パークスキー場
越後湯沢駅から近く、コンパクトながらバラエティに富んだコースレイアウトが特徴のスキー場です。初中級者が気軽に楽しめる環境に加え、ナイター営業も行っているため、仕事帰りや短時間での滑走にも対応しています。温泉街からのアクセスも良好で、気軽に立ち寄れます。
NASPAスキーガーデン
リゾートホテル「NASPAニューオータニ」に隣接し、スキーイン・スキーアウトが可能な利便性の高いスキー場です。コースは初中級者向けが中心で、ファミリーやカップルでゆったりと滑りたい方におすすめです。ホテルの充実した施設とスキー場が一体となった快適なリゾートステイを満喫できます。
温泉街で楽しむ湯めぐり体験
スキーの後は、越後湯沢温泉でゆっくりと疲れを癒しましょう。湯沢高原スキー場から徒歩圏内には、日帰り入浴が可能な温泉施設が複数あります。越後湯沢温泉は約800年の歴史を持つ古湯で、川端康成の小説『雪国』の舞台となったことでも有名です。
越後湯沢温泉の泉質は、弱アルカリ性単純温泉、弱アルカリ性ナトリウム・カルシウム塩化物泉、アルカリ性単純硫黄泉と大きく3つに分類されます。いずれも肌に優しく、美肌効果が高いことから「美人の湯」として親しまれています。源泉温度は55度から57度の高温泉で、体を芯から温めてくれます。
町営の外湯も点在しており、「駒子の湯」「山の湯」「街道の湯」などの共同浴場は地元の人々にも愛されています。外湯めぐり券を購入すれば、複数の浴場を巡って異なる泉質や雰囲気を楽しめます。
温泉街には老舗旅館や近代的なホテルが軒を連ね、それぞれに個性的な温泉が用意されています。露天風呂から雪景色を眺める贅沢な時間は、冬の越後湯沢ならではの体験です。日帰り入浴プランを設けている宿も多く、スキーの後に気軽に立ち寄れます。
弱アルカリ性の泉質は新陳代謝を促進し、疲労回復や神経痛、筋肉痛、冷え性などに効果があります。スキーやスノーボードで酷使した筋肉をほぐし、体の芯から温まることができます。温泉に浸かりながら一日の滑走を振り返る時間は、何物にも代えがたい至福のひとときです。
新潟グルメで舌鼓を打つ
越後湯沢を訪れたら、新潟の美味しいグルメも堪能しましょう。米どころ新潟ならではの魚沼産コシヒカリを使った料理や、新鮮な日本海の海の幸、伝統の郷土料理など、多彩な食文化が根付いています。
温泉街には居酒屋や食堂、レストランが数多く軒を連ねています。新鮮な魚介を使った刺身の盛り合わせや、地元で獲れた山菜料理、雪国ならではの保存食など、季節ごとの旬の味覚を楽しめます。
へぎそばは新潟を代表する郷土料理の一つで、つなぎに布海苔を使用した独特のコシと喉越しが特徴です。木製の器「へぎ」に一口サイズに盛り付けられた美しい姿も魅力で、専門店で本格的な味を堪能できます。
日本酒好きには、地元の酒蔵を訪れる酒蔵見学もおすすめです。新潟は日本有数の酒どころとして知られ、湯沢町周辺にも複数の酒蔵があります。製造工程を見学し、できたての日本酒を試飲する贅沢な時間を過ごせます。
雪国文化に触れる周辺観光スポット
湯沢町には、スキー以外にも魅力的な観光スポットが点在しています。温泉街を散策しながら雪国の文化や歴史に触れる時間も、旅の醍醐味の一つです。
湯沢町歴史民俗資料館「雪国館」
川端康成の小説『雪国』の世界観を展示した文化施設です。小説に登場する場面を再現した展示や、康成の遺愛品、湯沢の明治から昭和初期の暮らしぶりを紹介するコーナーなど、見どころ満載です。雪国ならではの生活の工夫や知恵に触れることができ、小説を読んだことがある方もない方も楽しめる内容となっています。
越後湯沢駅「ぽんしゅ館」
新潟の地酒を存分に楽しめる人気スポットです。利き酒コーナーでは100種類以上の新潟の日本酒を試飲でき、自分好みの一本を見つける楽しみがあります。酒風呂体験もできるユニークな施設で、日本酒の新たな魅力に出会えます。お土産コーナーも充実しており、新潟の銘酒を購入できます。

湯沢フィッシングパーク
手ぶらで渓流釣りを楽しめる体験施設です。イワナ、ヤマメ、ニジマスなどを釣り上げ、その場で炭火焼にして食べる贅沢な体験ができます。つかみどりやバーベキューも楽しめ、ファミリーでのアクティビティに最適です。自然の中での食体験は、子どもたちにとって貴重な思い出となります。
体験工房大源太
そば打ちや笹だんご作りなどの手作り体験が可能な施設です。熟練講師の丁寧な指導のもと、お子様連れのファミリーでも安心して参加できます。自分で作った笹だんごやそばの美味しさは格別で、新潟の食文化を体験しながら旅の思い出を形にできます。
大源太湖
エメラルドグリーンの美しい湖面が印象的な自然スポットです。特に紅葉シーズンの景観は見事で、多くのカメラ愛好家が訪れます。周辺にはトレッキングコースも整備されており、湖畔の散策や自然観察を楽しめます。冬季は雪に覆われた幻想的な風景が広がります。
毛渡沢橋梁
1931年に完成した石造りの鉄道橋で、日本の美しい鉄道橋第2位に選ばれたこともある歴史的建造物です。全長約217メートル、高さ10メートル以上の堂々とした姿は、橋の真下から見上げると大迫力です。レトロな様式美と周囲の自然が調和した、写真映えするスポットとして人気があります。
季節ごとに異なる魅力を発見
湯沢高原スキー場は冬季のスキーシーズンだけでなく、グリーンシーズンにも「湯沢高原パノラマパーク」として営業しています。春から秋にかけては、高山植物園「アルプの里」で200種類以上の花々を観賞できます。
初夏には色とりどりの高山植物が咲き誇り、ロープウェイで訪れる雲上の花畑として多くの観光客で賑わいます。園内には遊歩道が整備され、ゆっくりと散策しながら自然観察を楽しめます。
夏季にはサマーボブスレーやジップラインアドベンチャーなどのアクティビティも楽しめます。木と木の間に渡したワイヤーを一気にスライドするジップラインは、疾走感たっぷりで爽快です。標高約1,000メートルの涼しい環境で、夏の暑さを忘れて自然を満喫できます。
秋には紅葉の名所として知られ、ロープウェイから眺める錦秋の山々は息をのむ美しさです。コキア畑が真っ赤に染まる光景も見事で、SNS映えする写真スポットとして人気です。足湯に浸かりながら紅葉を眺める贅沢な時間も過ごせます。
一年を通じて訪れる価値のある湯沢高原は、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。冬のスキー、春の新緑、夏の高山植物、秋の紅葉と、何度訪れても新しい発見がある魅力的な観光スポットです。
まとめ:冬の新潟を満喫する旅へ

湯沢高原スキー場は、首都圏から新幹線で約75分、車でも約2時間という好立地にありながら、本格的な雪山体験ができる魅力的なスノーリゾートです。世界最大級のロープウェイで標高約1,000メートルの銀世界へアクセスし、初心者から上級者まで楽しめる多彩なコースで滑走を満喫できます。
100年以上の歴史を持つこのスキー場は、川端康成の小説『雪国』にも登場し、文学作品とともに発展してきた特別な場所です。1913年に郵便局員がスキーを持ち込んだことに始まり、1959年の湯沢高原スキー場の誕生、そして現在の世界最大級のロープウェイを擁する総合リゾートへと進化を遂げてきました。
山麓エリアの湯沢温泉ゆきあそびパークは、スキーデビュー前のお子様連れファミリーにも最適で、スノーチュービングやソリ遊びなど多彩な雪遊びが楽しめます。日本最大級の100メートルフード付きスノーエスカレーターは、安全で快適な雪遊び体験を提供してくれます。
高原エリアには本格的なイタリアンレストラン「アルピナ」や「雲の上のカフェ」kumo cafeがあり、絶景を眺めながらのグルメ体験も魅力です。標高約1,000メートルの山頂で味わう料理やスイーツは、スキー場グルメの域を超えた本格的な味わいです。
隣接するガーラ湯沢スキー場や石打丸山スキー場と連結した湯沢スノーリンクを活用すれば、全48コースという広大なスケールでのスキー体験が可能です。高低差約900メートル、全幅約5,000メートルに及ぶ関越エリア最大のスキー場ネットワークは、一日では回りきれないほどのバリエーション豊かなコースを提供しており、何度訪れても新しい発見があります。
スキーの後は越後湯沢温泉で疲れを癒し、温泉街の散策や地元グルメを堪能しましょう。約800年の歴史を持つ温泉地ならではの情緒ある雰囲気と、新潟の美味しい食文化が、スキー旅行をさらに充実したものにしてくれます。
周辺には苗場スキー場やかぐらスキー場など、魅力的なスキー場が点在しており、連泊して複数のスキー場を巡るのもおすすめです。また、雪国館やぽんしゅ館などの観光スポットも充実しており、スキー以外の楽しみ方も豊富に用意されています。
湯沢高原スキー場は、単なるスキー場ではなく、雪国文化や温泉、グルメ、絶景など、冬の新潟の魅力を総合的に楽しめる総合リゾートです。初めてのスキー旅行でも、ベテランスキーヤーでも、それぞれの楽しみ方ができる懐の深さが、多くの人々に愛される理由となっています。
今シーズンは湯沢高原スキー場で、極上のパウダースノーと雪国ならではの魅力を存分に体験してみてはいかがでしょうか。世界最大級のロープウェイで訪れる雲上の銀世界が、あなたを待っています。



