添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は、大分県別府市にそびえ立つ斬新なデザインが特徴の「グローバルタワー」をご紹介します。世界的建築家が手がけたこのタワーは、日本夜景遺産に認定された夜景スポットとして知られ、地上100mの展望デッキから別府の街を一望できます。
グローバルタワーの知られざる課題
別府観光の穴場スポットとして密かに人気を集めるグローバルタワーですが、実は知名度の低さが課題となっています。何度も別府を訪れるリピーターでさえ、このタワーに登れることを知らない方が多いのが現状です。
また、オープンエアー構造の展望デッキは開放感抜群である一方、天候不良時には営業を休止せざるを得ません。強風や荒天の際は安全のため入場が制限されるため、訪問前に営業状況を確認することが推奨されます。
さらに、他の観光地と比べて公共交通機関でのアクセスがやや不便な点も挙げられます。別府駅から徒歩15分程度かかるため、バスやタクシーの利用を検討する必要があります。
プリツカー賞建築家が生み出した建築芸術

グローバルタワーを語る上で欠かせないのが、設計者である磯崎新氏の存在です。磯崎新氏は1931年に大分市で生まれ、東京大学工学部建築学科を卒業後、丹下健三に師事しました。1963年に磯崎新アトリエを設立し、国内外で100以上もの作品を手がけた日本を代表する建築家です。
磯崎氏の建築思想は、単なる機能性を超えた哲学的な深みを持っています。「建築の解体」という著書に示されるように、建築と廃墟、現実と虚構といった対立する概念を作品に取り入れ、常に新しい建築表現を模索し続けました。その功績が認められ、2019年には建築界のノーベル賞と称される「プリツカー賞」を受賞しています。
磯崎氏の代表作には、旧大分県立大分図書館(現アートプラザ)、群馬県立近代美術館、つくばセンタービル、水戸芸術館、ロサンゼルス現代美術館などがあります。国際的な視野を持ちながらも、故郷である大分への深い愛着を持ち続けた建築家でした。
グローバルタワーは、磯崎氏が故郷大分に残した重要な建築作品の一つです。彼の設計思想が凝縮されたこのタワーには、独特の幾何学的構造が採用されています。
独創的な設計コンセプト
グローバルタワーの形状は、一見すると奇抜に見えますが、実は緻密な計算に基づいています。別府公園中央部の海抜0m地点を中心として、直径1kmの巨大な球を描いた時の「仮想の球」の一部曲面と、それに交差する円柱部から構成されているのです。
2本の支柱とそれを支える弧状の柱が生み出す独特のフォルムは、まるで未来へ向かって発射されるロケットの基地のようです。この斬新なデザインは1996年にBCS賞を受賞し、建築作品としての高い評価を受けました。
ビーコンプラザとの調和

グローバルタワーは、1995年3月4日に竣工した「ビーコンプラザ」(別府国際コンベンションセンター)のシンボルタワーとして建設されました。「ビーコン」とは高所に掲げた合図や信号のための灯火を意味し、かがり火や狼煙、灯台などを指します。グローバルタワーはまさにそのbeaconとして、21世紀の大分の国際交流の拠点、国内外への情報発信基地としての役割を担うことを目的に造られました。
当時は国際化の進展により、国と国との交流から地域と地域、人と人とが直接交流する時代を迎えていました。そうした時代背景のもと、別府から世界へ向けての情報発信を象徴するタワーとして、高さ125mの存在感あるシンボルが誕生したのです。
天空100mから望む360度パノラマ
グローバルタワーの最大の魅力は、なんといっても地上100mの展望デッキから眺める絶景です。エレベーターで一気に上昇すると、そこには別府の街と自然が織りなす大パノラマが広がります。
ガラス張りのセミオープンデッキ

展望デッキの設計も非常にユニークです。前面、側面、後面は全てガラス張りで、天井部分はワイヤーを張っただけのオープンエアー構造となっています。まるでガラスの箱の中に浮いているかのような感覚を味わえる空間です。
この構造により、360度遮るものなく景色を楽しめる一方で、小雨程度なら入場可能ですが、強風や荒天時には安全のため営業を休止することがあります。展望デッキには空調設備がありませんが、通風を意識した設計により、真夏でも比較的快適に過ごせるよう工夫されています。
昼間の絶景
晴天時には、眼下に別府温泉の立ち上がる湯気、青く広大な別府湾、そして標高1,375mの鶴見岳など、大パノラマが広がります。別府の街並みは山の斜面に沿って広がっており、自然と調和した美しい景観を楽しめます。
東側を眺めると、眼下に別府公園の深い緑が広がり、その周囲には街の光景が、さらに向こう側には別府湾が輝いています。西側には山々を背景として温泉街の景色が広がり、空へ伸びる湯けむりが景観にアクセントを加えています。
天気が良ければ、別府湾を挟んで四国まで望むことができます。高崎山や大分市の臨海工業地帯も視界に入り、別府という街の広がりを実感できます。
日本夜景遺産認定の夜景
グローバルタワーは「日本夜景遺産」に登録されており、夜景スポットとしても高い評価を受けています。温泉地特有の夜景を間近に望める特異な眺望空間として、後世に残すべき貴重な夜景遺産と認定されているのです。
夜になると、別府の街に無数の灯りが煌めき、昼間とはまったく異なるムード満点の景色が眼前に広がります。カップルのデートスポットとして、また記念日の特別な場所としても人気を集めています。実際に、展望デッキではウエディングや記念日の写真・動画撮影サービスも提供されており、プロのスタッフが演出を手掛けています。
扇山火まつりの期間中は展望デッキが無料開放され、ダイナミックな炎と夜景との競演を楽しめます。
入場料金とお得な割引情報
グローバルタワーの入場料金は以下の通りです。
| 料金区分 | 大人(高校生以上) | 小人(小・中学生) |
|---|---|---|
| 通常料金 | 300円 | 200円 |
| 団体料金(10名以上) | 200円 | 100円 |
| 障がい者料金 | 150円 | 100円 |
※障がい者料金の適用をご希望の方は、障がい者手帳の提示が必要です。手帳1冊につき付添1名が無料になります。
オンライン割引チケット
アソビューなどのオンライン予約サイトでは、最大50%OFFの割引クーポンが販売されています。大人300円の入場料が200円に、小・中学生は200円が100円になります。事前購入すれば、チケット売り場に並ぶ必要もなくスムーズに入場できるため、利用がおすすめです。
営業時間とアクセス情報
営業時間
| 期間 | 営業時間 |
|---|---|
| 3月~11月(通常営業) | 9:00~21:00 |
| 12月~2月(冬季営業) | 9:00~19:00 |
休館日: 年末年始(12月29日~1月3日)、天候不順時
アクセス方法
電車・バスの場合:
- JR別府駅から徒歩約15~20分
- 別府駅西口3番乗り場より、亀の井バス「扇山団地行き」または「スギノイパレス行き」で約5分、「ビーコンプラザ前」バス停下車、徒歩約5分
車の場合:
- 大分自動車道「別府IC」から約10分
- ビーコンプラザ地下駐車場利用可能(最初の1時間無料、以後1時間ごとに100円)
施設詳細情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | グローバルタワー |
| 所在地 | 大分県別府市山の手町12-1 |
| 高さ | 125m |
| 展望デッキ高さ | 地上100m |
| 電話番号 | 0977-26-7111 |
| 設計者 | 磯崎新 |
| 竣工年 | 1995年 |
合わせて訪れたい周辺の観光スポット
グローバルタワーの周辺には、徒歩圏内で訪れることができる魅力的なスポットが点在しています。
別府公園
グローバルタワーのすぐ隣に位置する別府公園は、豊かな緑に囲まれた憩いの場所です。竹藪をはじめとした自然が美しく、散策にぴったりのスポットです。桜の名所としても知られ、春には多くの花見客で賑わいます。公園内はとても広く、のんびり歩くだけでも気持ちの良い時間を過ごせます。
別府市美術館
ビーコンプラザ正面玄関のすぐ前に位置する別府市美術館は、入場料が大人100円(70歳以上無料)ととてもリーズナブルな施設です。旧大分県施設を改装してオープンした美術館で、地域に根差した作品を数多く収蔵しています。グローバルタワー観光の前後に気軽に立ち寄れる文化施設です。
京都大学地球物理学研究施設
グローバルタワーから道路を挟んで向かい側にある、赤煉瓦が印象的な洋館建ての建物です。大正13年1月に建築されたこの施設は、大小の柱型を交互に配した赤レンガ造りの外壁が特徴的で、上下を白い帯で締めた気品のある均整の取れた外観が美しいです。ギリシャのイオニア式の柱頭など、クラシカルな幾何学的意匠が見事です。外観のみの見学ですが、建築ファンにはたまらないスポットです。
別府タワー

グローバルタワーから車で約5〜10分、別府駅周辺に位置する別府タワーは、1957年竣工の歴史あるタワーです。東京タワーと同じ内藤多仲氏が設計した「タワー六兄弟」の一つで、東京タワーより1年早く完成しました。2023年1月にリニューアルオープンし、高さも100mに復元されました。地上55mの展望台からは別府市街や別府湾を360度一望でき、レトロな雰囲気が魅力です。2007年には国の登録有形文化財に指定され、2023年にはライトアップ夜景遺産にも認定されています。館内には別府アートミュージアムやカフェも併設されており、別府観光の定番スポットとして長年愛されています。

周辺のオススメ宿泊施設
別府は温泉地として知られ、グローバルタワー周辺には魅力的な宿泊施設が充実しています。
別府温泉 杉乃井ホテル
別府を代表する大型温泉リゾートホテルです。大展望露天風呂「棚湯」からは別府湾の絶景を一望でき、水着で楽しめる露天型温泉施設「ザ アクアガーデン」も人気です。多彩なビュッフェやアミューズメント施設も充実しており、3世代で楽しめる温泉リゾートとして高い評価を得ています。グローバルタワーから車で約10分の距離です。

MURE Beppu
別府駅から徒歩約11分の立地にある、2022年12月オープンの和モダンなホテルです。全14室すべての客室に源泉100%かけ流しの温泉が備わっており、好きな時間に何度でも温泉を楽しめます。築100年以上の古民家の梁や柱などの古材を活かした館内は、木の香りが広がる温かみある空間です。併設カフェのお団子が宿泊客に無料で提供され、屋上には別府の街並みを一望できる貸切露天風呂もあります。シモンズ製ベッドを採用した客室は清潔で洗練されており、静かに過ごしたい方に最適です。

別府亀の井ホテル
別府駅から徒歩圏内の便利な立地にある温泉ホテルです。広々とした客室とリーズナブルな料金設定で、ビジネス・観光どちらにも対応できます。館内には温泉大浴場を完備しており、観光の疲れを癒すことができます。グローバルタワーへのアクセスも良好です。

グランドメルキュール別府湾リゾート&スパ
別府湾を望む絶好のロケーションに位置するリゾートホテルです。温泉大浴場からは別府湾の景色を楽しめ、多彩な食事プランも用意されています。観光にもビジネスにも使いやすい施設として、幅広い層から支持を得ています。

ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ
別府の山間部に佇む高級リゾートホテルです。フルサービススパや温泉、屋外プール、複数のレストランを備え、ラグジュアリーな滞在を求める方に最適です。別府駅への無料シャトルバスも運行しており、観光の拠点としても便利です。グローバルタワーまで車で約10分の距離です。

GALLERIA MIDOBARU
2020年12月にリニューアルした温泉宿で、国内外で活躍する建築家・美術家の佐野文彦氏が一部の客室や食事処、受付の設計を手がけました。目と舌で楽しむお食事、源泉かけ流しのいで湯を貸切風呂で楽しめます。別府駅から車で約10分の距離にあり、モダンな空間で上質な滞在を求める方におすすめです。

まとめ:別府観光の新たな魅力を発見
グローバルタワーは、世界的建築家・磯崎新氏が設計した、別府のシンボルタワーです。高さ125m、地上100mの展望デッキからは、別府の街並み、温泉の湯けむり、別府湾、鶴見岳など、360度の大パノラマを楽しめます。
日本夜景遺産に認定された夜景は、カップルのデートスポットとしても最適です。入場料は大人300円とリーズナブルで、オンライン予約ならさらにお得に利用できます。
別府駅から徒歩圏内、周辺には別府公園や別府市美術館など文化施設も充実しており、別府観光の新しい魅力を発見できるスポットです。
別府への旅行を計画中の方は、ぜひグローバルタワーを訪れて、磯崎新建築の魅力と別府の絶景を体感してください。温泉巡りと合わせて、充実した別府旅行をお楽しみいただけます。
大分県への旅行をご検討の方は、ジャルパック ダイナミックパッケージで、お得に旅を計画してみてはいかがでしょうか。
