琵琶湖北岸を走る全長18.8kmの奥琵琶湖パークウェイは、滋賀県を代表するドライブスポットとして多くの観光客やバイクツーリング愛好家に親しまれています。無料で通行でき、四季折々の美しい景色を楽しめるこのルートは、週末のドライブやツーリングに最適です。本記事では、奥琵琶湖パークウェイの魅力や見どころ、アクセス方法、周辺観光スポットまで詳しくご紹介します。
奥琵琶湖パークウェイとは?基本情報と特徴
奥琵琶湖パークウェイは、滋賀県長浜市西浅井町の菅浦と岩熊を結ぶ約18.8kmのドライブウェイです。かつては有料道路として運営されていましたが、現在は無料開放されており、地元の方から観光客まで幅広く利用されています。
琵琶湖北岸の山間部を走るこのルートは、琵琶湖や竹生島を望む絶景ポイントが随所にあり、春は約3,000本の桜、秋は色鮮やかな紅葉が道路沿いを彩ります。標高の高い位置を走るため、湖面を見下ろす独特の眺望が楽しめるのも大きな魅力です。
道路は片側1車線で、つづら尾崎展望台を境に走行ルールが異なります。菅浦側からつづら尾崎展望台までは対面通行、展望台から岩熊方面へは一方通行となっており、入場は菅浦側からのみ可能です。この一方通行システムにより、安全で快適なドライブが実現されています。
奥琵琶湖パークウェイの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
所在地 | 滋賀県長浜市西浅井町菅浦〜岩熊 |
全長 | 約18.8km |
通行時間 | 8:00〜18:00(ゲート閉門17:30頃) |
通行料金 | 無料 |
通行可能期間 | 3月下旬〜12月上旬(冬季閉鎖) |
進入方向 | 菅浦側からのみ入場可能 |
通行区分 | 菅浦〜つづら尾崎展望台:対面通行 つづら尾崎展望台〜岩熊:一方通行 |
奥琵琶湖パークウェイの通行制限と注意点
奥琵琶湖パークウェイを訪れる際には、いくつかの重要な制限事項があります。これらを事前に確認しておくことで、スムーズなドライブを楽しむことができます。
冬季通行止め
積雪が多い地域のため、例年12月上旬から翌年3月中旬頃までは冬季通行止めとなります。2025年は3月22日に通行止めが解除されました。解除日は年によって前後するため、春先に訪れる際は事前に確認が必要です。
通行可能時間
通行可能時間は8:00〜18:00で、17:30頃には菅浦入場ゲートが閉門されます。夕方遅くに訪れる場合は、ゲート閉門時間に間に合うよう計画を立てましょう。また、つづら尾崎展望台の駐車場も20:00から翌朝8:00まで閉鎖されるため、車中泊はできません。
一方通行と進入方向
最も注意が必要なのは進入方向です。奥琵琶湖パークウェイは菅浦側からのみ入場可能で、岩熊側からは進入できません。つづら尾崎展望台から月出ゲート・岩熊方面は一方通行となっており、戻ることはできないため、ルート計画は慎重に行う必要があります。
道路状況による通行止め
土砂崩れなどの道路状況により、予告なく通行止めになることがあります。特に雨天時や台風後は注意が必要です。最新の道路情報は滋賀県のロードネット滋賀で確認できます。
奥琵琶湖パークウェイの四季の魅力
奥琵琶湖パークウェイは、春夏秋の3シーズンでそれぞれ異なる表情を見せる人気のドライブルートです。季節ごとの見どころと特徴をご紹介します。
春|約3,000本の桜並木が圧巻
春の奥琵琶湖パークウェイは、滋賀県屈指の桜の名所として知られています。約3,000本の桜が道路沿いを彩り、車窓からピンク色のトンネルを抜けるような体験ができます。
見頃時期は例年4月上旬から4月中旬で、この時期には多くの花見客やドライブ客が訪れます。樹齢20年から25年の桜が咲き誇る景色は圧巻で、琵琶湖の青と桜のピンク、新緑のコントラストが美しい写真スポットとしても人気です。
特につづら尾崎展望台からの眺めは絶景で、琵琶湖に浮かぶ竹生島と桜のコラボレーションを楽しむことができます。展望台の駐車場も無料で利用できるため、ゆっくりと散策しながら花見を満喫できます。
夏|新緑と琵琶湖の青が織りなす爽快な景色
夏の奥琵琶湖パークウェイでは、鮮やかな新緑に包まれた爽快なドライブが楽しめます。木々の緑が濃くなり、琵琶湖の青さも一層際立つこの季節は、都会の喧騒を離れてリフレッシュするのに最適です。
標高の高い位置を走るため、夏でも比較的涼しく感じられるのも魅力のひとつです。琵琶湖のキラキラと輝く水面を眺めながら、森林浴を兼ねたドライブを満喫できます。つづら尾崎展望台でピクニックを楽しむのもおすすめです。
秋|色鮮やかな紅葉が山々を彩る
秋の紅葉シーズンは、春の桜と並ぶ奥琵琶湖パークウェイの人気シーズンです。例年11月中旬から11月下旬にかけて、モミジやカエデなどが赤や黄色に色づき、山々を鮮やかに染め上げます。
紅葉のピーク時には、道路一面が落ち葉で覆われ、まるで紅葉の絨毯の上を走るような体験ができます。琵琶湖の青と紅葉のコントラスト、竹生島を背景にした景色は、写真愛好家にも人気の被写体です。
つづら尾崎展望台から眺める紅葉の絶景は、一見の価値があります。周辺の遊歩道を散策しながら、ゆっくりと紅葉狩りを楽しむのもおすすめです。
つづら尾崎展望台|絶景ビューポイントの見どころ
奥琵琶湖パークウェイのハイライトとも言えるのが、ルートのほぼ中間地点に位置するつづら尾崎展望台です。ここからの眺望は奥琵琶湖パークウェイ随一と言われ、多くのドライバーやツーリング愛好家が休憩とともに絶景を楽しんでいます。
琵琶湖と竹生島を一望する絶景
つづら尾崎展望台の最大の魅力は、奥琵琶湖と琵琶湖に浮かぶ竹生島を一望できる360度のパノラマビューです。天気が良い日には、湖西側の海津大崎方面と湖東側の広々とした琵琶湖の両方が見渡せ、それぞれ異なる景観を楽しむことができます。
展望台にはベンチが設置されており、景色を眺めながらゆっくりと休憩できます。お弁当を持参してランチを楽しむ人も多く、特に春の桜シーズンや秋の紅葉シーズンには、多くの観光客で賑わいます。
標高の高い位置から見下ろす琵琶湖は、湖畔とは異なる雄大さを感じさせてくれます。エリ漁の風景や、四季折々の琵琶湖の表情を楽しめるのも、この展望台ならではの魅力です。
恋人の聖地モニュメント
つづら尾崎展望台は、平成27年(2015年)に「恋人の聖地」に認定されました。展望台には、琵琶湖の水運で活躍した「丸子船」をモチーフにしたモニュメントが設置されており、カップルでの記念撮影スポットとして人気です。
琵琶湖と竹生島を背景に、ロマンティックな雰囲気の中で写真を撮ることができるため、デートスポットとしてもおすすめです。夕暮れ時には湖面が美しく染まり、さらに幻想的な景色を楽しむことができます。
どうぶつの森で子どもも楽しめる
駐車場の脇には「どうぶつの森」と呼ばれるエリアがあり、ゾウやキリン、シマウマなどの動物のオブジェが設置されています。子ども連れのファミリーにとって、ドライブの休憩に最適なスポットです。
自然に囲まれた広場では、天気の良い日にピクニックを楽しんだり、子どもたちが自由に遊んだりできます。動物のオブジェは写真映えもするため、家族の記念撮影にもぴったりです。
自然歩道で散策を楽しむ
つづら尾崎展望台周辺には、つづら尾崎自然遊歩道や環びわ湖周遊自然歩道が整備されており、散策やハイキングを楽しむことができます。駐車場には遊歩道の地図が掲示されているため、時間に余裕がある方は自然の中を歩いてリフレッシュするのもおすすめです。
特に春の桜や秋の紅葉の時期には、遊歩道沿いの景色も美しく、森林浴を兼ねたウォーキングに最適です。野鳥のさえずりや木々のざわめきを聞きながら、ゆっくりと自然を満喫できます。
レストラン・売店で地元グルメとお土産
つづら尾崎展望台には、レストランや売店も併設されています。地元食材を使ったグルメを味わうことができ、ドライブの休憩に立ち寄るには最適です。
滋賀ならではの郷土料理や軽食、飲み物などが提供されており、琵琶湖を眺めながら食事を楽しむことができます。また、売店では地元のお土産品も販売されているため、旅の記念に購入することもできます。
駐車場情報
つづら尾崎展望台には、普通車と大型車が駐車できる広々とした無料駐車場が完備されています。料金がかからないため、時間を気にせずゆっくりと景色を楽しんだり、散策したりできるのが嬉しいポイントです。
ただし、駐車場のゲートは20:00から翌朝8:00まで閉鎖されるため、車中泊はできません。また、桜や紅葉のシーズンには多くの観光客が訪れるため、早めの時間帯に訪れることをおすすめします。
奥琵琶湖パークウェイへのアクセス方法
奥琵琶湖パークウェイへは、車でのアクセスが基本となります。公共交通機関での直接アクセスは困難なため、レンタカーやマイカーでの訪問がおすすめです。
車でのアクセス
北陸自動車道の木之本インターチェンジから、国道8号線を経由して約20分でアクセスできます。木之本ICを降りたら、国道8号線を北上し、県道2号線(琵琶湖西縦貫道路)に入り、菅浦方面へ向かいます。
菅浦集落を抜けると、奥琵琶湖パークウェイの入口ゲートが見えてきます。ゲートは8:00に開き、17:30頃に閉門されるため、時間に余裕を持って訪れましょう。
カーナビで目的地を設定する際は、「つづら尾崎展望台」や「奥琵琶湖パークウェイ」で検索すると、スムーズにルート案内が受けられます。ただし、必ず菅浦側から入場するルートを選択してください。
公共交通機関からのアクセス
JR北陸本線の近江塩津駅や永原駅が最寄り駅となりますが、駅から奥琵琶湖パークウェイまでは距離があるため、タクシーの利用が現実的です。ただし、タクシーの台数が限られている地域のため、事前の予約をおすすめします。
長浜駅周辺でレンタカーを借りて訪れる方法も便利です。特に周辺の観光スポットも含めて巡る場合は、レンタカーでの移動が効率的です。
バイクツーリングにも人気のルート
奥琵琶湖パークウェイは、ドライブだけでなくバイクツーリングの人気スポットとしても知られています。琵琶湖一周ツーリング(通称:ビワイチ)を楽しむライダーの多くが、このルートを訪れます。
ツーリングの魅力
バイクで走る奥琵琶湖パークウェイの魅力は、何と言っても風を感じながら絶景を楽しめることです。約18.8kmのワインディングロードは適度なカーブがあり、走りごたえも十分です。
春の桜や秋の紅葉の季節には、多くのバイク愛好家がツーリングに訪れます。つづら尾崎展望台の駐車場では、休憩を取るライダーの姿も多く見られ、情報交換の場としても賑わっています。
バイクの通行料金も車と同様に無料のため、気軽に立ち寄れるのも嬉しいポイントです。ただし、見通しがあまり良くない区間もあるため、速度を控えめにして安全運転を心がけましょう。
ツーリング時の注意点
口コミでは、「見通しがあまり良くない場所があるため、スピードを出しすぎず、周囲の景観を楽しみながら走る方が良い」という声が多く寄せられています。特にカーブが多い区間では、対向車に注意しながら慎重に走行することが大切です。
また、つづら尾崎展望台から先は一方通行となるため、引き返すことができません。ルートを確認した上で、計画的にツーリングを楽しみましょう。雨天時や路面が濡れている時は、スリップに注意が必要です。
周辺観光スポット|長浜エリアの見どころ
奥琵琶湖パークウェイを訪れた際には、周辺の長浜エリアの観光スポットにも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。歴史と文化が息づく長浜市には、魅力的な観光名所が数多くあります。
黒壁スクエア|レトロな街並みとガラスの街
黒壁スクエアは、JR長浜駅から徒歩約5分、北陸自動車道の長浜インターチェンジから車で約10分の場所にあります。江戸時代から続く北国街道沿いに、レトロな街並みが広がる人気の観光エリアです。
黒壁ガラス館を中心としたガラスの街
黒壁スクエアの中心となるのが、明治33年(1900年)に建てられた旧第百三十国立銀行長浜支店を改装した「黒壁一號館・黒壁ガラス館」です。黒い漆喰の外壁から「黒壁銀行」の愛称で親しまれてきたこの建物は、平成元年(1989年)にガラス館としてオープンしました。
館内では、世界中から集められたガラス製品の展示販売が行われており、1階ではアクセサリーや生活雑貨、2階では芸術性の高いガラス作品を鑑賞・購入できます。和洋折衷の重厚な建物の雰囲気と、繊細で美しいガラス製品のコントラストが印象的です。
体験工房で思い出作り
黒壁スクエアには、ガラス制作を体験できる施設も充実しています。黒壁体験教室では、吹きガラス、ステンドグラス、サンドブラスト、ジェルキャンドルなど、7種類以上の体験メニューが用意されています。
初心者でも気軽にチャレンジでき、自分だけのオリジナル作品を作ることができます。旅の記念品として、また大切な人へのプレゼントとして、世界にひとつだけのガラス作品を持ち帰ることができるのは魅力的です。
体験メニュー | 料金 |
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サンドブラスト | 1,650円〜 |
ステンドグラス | 3,850円〜 |
その他体験 | 各種料金設定あり |
ショッピングとグルメを楽しむ
黒壁スクエアには、黒壁ガラス館を取り囲むように約30店舗のガラスショップ、ギャラリー、雑貨店、カフェ、レストランが点在しています。それぞれの店舗が個性的で、散策するだけでも楽しめます。
滋賀ならではの郷土料理や地元食材を使ったグルメを楽しめる飲食店も多く、ランチやカフェタイムに立ち寄るのもおすすめです。また、食べ歩きグルメも充実しており、のんびりと街歩きを満喫できます。
お土産選びも黒壁スクエアの楽しみのひとつです。ガラス製品はもちろん、長浜や滋賀の特産品も豊富に揃っているため、旅の思い出にぴったりの品が見つかるでしょう。
黒壁スクエア施設情報
項目 | 詳細 |
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所在地 | 滋賀県長浜市元浜町12-38 |
アクセス | JR長浜駅から徒歩約5分 北陸自動車道 長浜ICから車で約10分 |
営業時間 | 黒壁ガラス館:10:00〜17:00 ※店舗により異なる |
定休日 | 店舗により異なる |
長浜城|歴史と絶景を楽しむ
長浜城は、JR長浜駅から徒歩約7分、北陸自動車道の長浜インターチェンジから車で約15分の場所にあります。豊公園内に位置するこの城は、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が築城したことで知られる歴史的な名所です。
羽柴秀吉ゆかりの城
長浜城は、天正2年(1574年)頃に羽柴秀吉が築城した城です。当時、秀吉は織田信長から浅井氏の旧領を与えられ、今浜を長浜と改名してこの地に城を築きました。現在の天守は昭和58年(1983年)に復元されたもので、内部は長浜城歴史博物館として一般公開されています。
博物館では、長浜城の歴史や秀吉に関する展示、湖北地方の歴史資料などを見ることができます。戦国時代の武具や古文書、模型などが展示されており、歴史好きにはたまらない内容となっています。
天守最上階からの琵琶湖の眺望
長浜城の見どころのひとつが、5階の展望台から眺める琵琶湖の景色です。高さ約29mの位置から見渡す琵琶湖は、奥琵琶湖パークウェイから見る景色とはまた違った美しさがあります。
晴れた日には、琵琶湖の広大な水面と対岸の山々、長浜の街並みを一望でき、絶景スポットとして人気です。特に夕暮れ時には、湖面が金色に輝き、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
桜の名所としても人気
長浜城がある豊公園は、滋賀県内でも有数の桜の名所として知られています。例年4月上旬に見頃を迎え、約600本のソメイヨシノが公園内を彩ります。
桜のシーズンには多くの花見客が訪れ、城を背景にした桜の景色は圧巻です。奥琵琶湖パークウェイの桜と合わせて、長浜城の桜も楽しむことで、滋賀の春を満喫できます。
夜にはライトアップも行われ、幻想的な夜桜を楽しむことができます。昼間とは異なる雰囲気の中、城と桜のコラボレーションを堪能してみてはいかがでしょうか。
奥琵琶湖パークウェイで自然と絶景を満喫しよう
奥琵琶湖パークウェイは、無料で通行できる絶景ドライブルートとして、滋賀県を訪れる観光客に高い人気を誇っています。約3,000本の桜が咲き誇る春、新緑が美しい夏、紅葉が山々を彩る秋と、四季折々の魅力を存分に楽しむことができます。
つづら尾崎展望台からの琵琶湖と竹生島の眺望は圧巻で、ドライブやツーリングの休憩スポットとして最適です。無料の駐車場やレストラン、売店も完備されており、家族連れでも安心して訪れることができます。
周辺の黒壁スクエアや長浜城と合わせて観光すれば、滋賀の自然と歴史、文化を一日で満喫できます。通行可能期間は3月下旬から12月上旬までと限られていますが、その分、訪れる価値のある特別なドライブルートです。
次の休日には、奥琵琶湖パークウェイで爽快なドライブを楽しみ、琵琶湖の絶景と自然に癒されてみてはいかがでしょうか。春の桜、秋の紅葉のシーズンは特におすすめです。早朝や夕暮れ時には、また違った表情の琵琶湖を楽しむことができます。
菅浦側からのみ入場可能という点や、つづら尾崎展望台から先が一方通行になる点、冬季閉鎖期間などを事前に確認して、計画的にドライブを楽しみましょう。無料で利用できる絶景ルートを、ぜひ体験してみてください。