添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は、東京・銀座の複合商業施設「GINZA SIX」の屋上に広がる庭園「GINZA SIXガーデン」を、子ども連れファミリーの視点から徹底的に深掘りします。地上14階、約4,000㎡の都心緑地は、入場無料で朝7時から夜11時まで開放されています。「銀座は大人のエリア」という先入観を持っているファミリーにこそ、一度足を運んでほしい場所です。
| 施設名 | GINZA SIX ガーデン(GINZA SIX GARDEN) |
|---|---|
| 住所 | 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 屋上(13F上) |
| 開園時間 | 7:00〜23:00(天候不良等により予告なしに閉鎖の場合あり) |
| 定休日 | 施設に準ずる(貸切・イベント等でエリア制限の場合あり) |
| 入場料 | 無料 |
| アクセス | 東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A3出口より徒歩2分 |
「銀座は子どもが楽しめない」は本当か
銀座というエリア名を聞いて、高級ブランドショップが立ち並ぶ大人向けの街をイメージするのは自然なことです。実際、銀座の中央通りはラグジュアリーブランドの路面店が連なり、子ども連れでゆっくり滞在するには敷居が高いと感じる方も少なくありません。「荷物を持ったまま歩き回るのは疲れる」「子どもがぐずったときに休める場所がない」~そういった懸念がファミリー層を遠ざけてきたのも事実です。
しかし、GINZA SIXには、そうした不安をある程度解消する設備が整っています。2階のインフォメーションカウンターではベビーカーの無料貸し出しが行われており、6階のベビー休憩室には授乳室、おむつ替え用ベッド、キッズトイレが設置されています。屋上のガーデンに至っては、通路が広くベビーカーや車いすでの移動も可能な設計です。それでも「銀座は大人の街」という印象が残るとすれば、GINZA SIXガーデンの存在を知ることが、その先入観を塗り替える第一歩となるでしょう。
松坂屋から始まる、銀座6丁目の変容

GINZA SIXが建つ土地には、長い歴史があります。現在地には、かつて「松坂屋銀座店」が営業していました。松坂屋は1924年(大正13年)に銀座に進出し、90年近くにわたって銀座を代表する百貨店として親しまれてきました。しかし2013年に閉店し、跡地はしばらく空白期間を経ることになります。
その後、J.フロントリテイリング、森ビル、住友商事、L Real Estateの4社が中心となって銀座六丁目10地区の市街地再開発事業を推進。2つの街区、約1.4haを一体的に整備するプロジェクトとして動き出しました。設計を担当したのは、国内外で高い評価を受けてきた建築家・谷口吉生氏。銀座の「ひさし」と「のれん」をイメージしたファサードデザインは、この地が持つ歴史性と現代の商業施設が融合した独特の佇まいを生み出しています。
こうして2017年4月20日、地下6階・地上13階(商業エリアは地下2階〜地上6階と13階)、延床面積約14万8,700㎡という銀座エリア最大規模の複合施設「GINZA SIX」が誕生しました。開業当日には当時の安倍晋三首相、小池百合子東京都知事も出席したほど、日本の商業・都市開発の場においてこの施設が持つ意義の大きさが伝わります。
名称の「SIX」には、住所である銀座6丁目を示すとともに、「6つ星」の体験を提供するという意志が込められています。241ものブランドが集結し、文化交流施設として「観世能楽堂」も組み込まれたこの施設は、単なるショッピングモールを超えた「銀座の新しい顔」として発信され続けています。
地上14階の空中庭園~その設計哲学
GINZA SIXガーデンは、商業エリアの最上階(13F)の上に位置する屋上庭園です。敷地面積は約4,000㎡で、そのうち約56%にあたる約2,200㎡が緑地として整備されています。銀座という都心の真ん中に、これだけの規模の緑地が存在すること自体が稀有なことです。
ランドスケープデザインを手がけたのは、プレイスメディア代表の宮城俊作氏。「江戸の庭園文化と西洋の広場文化の融合」をコンセプトに設計されたこの庭園は、見た目のスタイリッシュさの中に日本の季節感と歴史が息づく空間となっています。
SKY GROVE(中空の木立)
庭園の南北に配置された木立エリアは「SKY GROVE」と呼ばれ、江戸時代の大名庭園を彩った多様な樹種が植栽されています。サクラ、カエデ、ツツジ、アジサイ、コナラ、キンモクセイ、ツバキなど、日本人に馴染み深い木々が集められており、各植物にはネームプレートが付けられているため、植物観察という楽しみ方もできます。木陰が多く、子どもが飽きずに散策できる自然環境が整っています。
芝生エリア
庭園中央部に設けられた開放的な芝生広場は、西洋の広場文化をコンセプトに設計されたエリアです。季節ごとにさまざまなイベントや期間限定の展示が行われます。広い空の下に広がる芝生は、子どもが駆け回ることができる数少ない都心の空間のひとつです。
水盤ゾーン
芝生エリアに隣接する水盤は、高さ数センチの浅い水を張ったアート的な構造物です。流れで形作られた一枚のアートとも表現されるこの水盤は、水を抜くことで平面としても利用できる設計になっています。子どもにとっては目の高さで水面が広がる不思議な空間で、視覚的な刺激になります。
回遊広場(回廊)
庭園の外周部を一周できる回廊「回遊のみち」は、江戸の池泉回遊庭園のロジックを現代的に転換したものです。360度のガラス窓越しに、銀座の街並み、東京タワー、スカイツリー、汐留の高層ビル群まで一望できます。子どもと並んで東京の景色を眺めながら歩けるこの回廊は、晴れた日のお散歩コースとして最適です。
無料で楽しめる都心の非日常空間
GINZA SIXガーデンの最大の特徴のひとつは、入場料が無料であるという点です。銀座の中心地に位置しながら、誰でも無料で利用できる開かれた庭園として、地域の憩いの場として機能しています。
開園時間は朝7時から夜11時まで。早朝の静かな時間帯に訪れると、銀座の喧騒が始まる前の清々しい空気の中で、都心の緑を独り占めできます。小さな子どもを連れた家族にとっては、混雑を避けた朝の時間帯の散歩にも活用できる場所です。
また、360度ほぼガラスで囲まれた回廊は、天気が多少悪くても風雨を防いでくれるため、急な天気の変化にも対応しやすい構造です。ただし天候によっては予告なく閉鎖されることもあるため、その点は事前に念頭に置いておく必要があります。
パブリックアートの庭~子どもの感性を刺激する展示
GINZA SIXガーデンでは、季節ごとに様々なパブリックアート作品が展示されています。2026年4月10日から6月30日にかけては、イギリス人アーティスト・ジュリアン・オピー(Julian Opie)による作品「20 Children」がガーデンに登場。20人の子どもたちをモデルにしたインタラクティブな立体作品が芝生エリアに設置され、子どもたちが軽やかに揺れる様子が開放的な空間にリズムを与えています。
GINZA SIXは施設全体を通じてアートを重視しており、吹き抜けの巨大インスタレーション、エレベーターホール、地下2階のショーウィンドウなど、館内各所でパブリックアートに触れることができます。子どもと一緒に「これは何を表しているんだろう?」と考えながら歩く体験は、美術館とも街歩きとも異なる独自の価値を持っています。
銀座ガーデンの四季~季節ごとの表情
GINZA SIXガーデンは、四季それぞれに異なる表情を見せます。植栽には「江戸の庭園文化」をコンセプトに、サクラ、カエデ、コナラなど季節の移ろいを感じさせる樹種が選ばれており、時期ごとに庭園の色彩が変化します。
春には複数種類の桜が順を追って開花し、都心でありながら本格的なお花見が楽しめます。カワヅザクラは2月上旬から中旬、オオシマザクラとエドヒガンザクラは4月上旬から中旬にかけて見頃を迎えます。夏は緑が生い茂り、木陰でのひと休みが心地よい季節です。秋にはカエデの紅葉が庭園を彩り、冬は過去にスケートリンクが設置されたこともある芝生エリアが別の顔を見せます。同じ場所を季節を変えて訪れるという体験が成立する庭園です。
合わせて訪れたい周辺の観光スポット
歌舞伎座
GINZA SIXから徒歩5分ほどの場所に、日本が誇る伝統芸能の殿堂「歌舞伎座」があります。壮大な外観は圧倒的な存在感を放ち、建物を見るだけでも十分に価値があります。一幕見席を利用すると、一幕単位で観劇できるためファミリーでも気軽に挑戦しやすい形です。
教文館ナルニア国
GINZA SIXから徒歩2〜3分の距離にある教文館(1885年創業)の6階に、子どもの本専門店「ナルニア国」があります。ロングセラーから新刊まで約15,000冊の児童書が揃い、親子でゆったりと本選びができる空間です。絵本作家によるイベントなども随時開催されており、子ども連れで銀座に来た際の定番スポットのひとつです。
銀座 蔦屋書店(GINZA SIX 6F)
GINZA SIX館内6階にある「銀座 蔦屋書店」は、アート・デザインに特化した書店です。アートブックやデザイン誌が充実しており、絵本のセレクションも独自の視点で揃えられています。カフェスペースも併設されており、屋上からの帰りに立ち寄ってのんびりと過ごすことができます。
周辺のおすすめ宿泊施設
コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル
マリオット・インターナショナル系列のホテルで、東銀座駅から徒歩3分、GINZA SIXへも徒歩圏内という好立地です。銀座の昭和通り沿いに位置し、フィットネスジムも24時間無料で利用できます。マリオットブランドの質の高いサービスを、銀座という立地で享受できるホテルです。
三井ガーデンホテル銀座プレミア
三井ガーデンホテルズが運営する銀座エリア唯一のタワー型デザインホテルです。16〜25階の高層フロアに客室が配置されており、東京の夜景を堪能できます。JR新橋駅から徒歩5分、東京メトロ新橋駅から徒歩4分でアクセスでき、GINZA SIXにも徒歩圏内です。16階のレストランからも東京の眺望が楽しめ、銀座滞在の拠点として利便性が高い施設です。
三井ガーデンホテル銀座築地
同じく三井ガーデンホテルズが運営するホテルで、東銀座駅6番出口から徒歩3分という利便性の高い立地です。GINZA SIXへも徒歩圏内で、築地エリアへのアクセスにも優れています。14階のレストラン「GINZA ONO Gratia -Smoke Dining-」も魅力のひとつで、銀座観光の拠点として使いやすいホテルです。
まとめ

「銀座は子どもが楽しめない」という先入観は、GINZA SIXガーデンの存在を知ることで変わります。入場無料、朝7時から夜11時まで開放され、ベビーカーでも問題なく回れる4,000㎡の屋上緑地は、都心でこれほど贅沢な条件が揃っているスポットは多くありません。江戸の庭園文化と西洋の広場文化が融合したランドスケープは、植物観察やアート鑑賞を通じて子どもの知的好奇心を刺激する場所でもあります。
銀座を観光するなら、コートヤード・マリオット 銀座東武ホテルを拠点にすると、GINZA SIXをはじめ歌舞伎座、教文館ナルニア国など主要スポットへのアクセスが非常にスムーズです。マリオット系列の安定したサービスと徒歩圏内の利便性が、子ども連れのファミリー旅行には特に頼もしい選択肢となります。
