富士登山 吉田ルート2026|初心者が失敗しない予約・山小屋選び・装備準備の完全版

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富士登山 吉田ルート2026|初心者が失敗しない予約・山小屋選び・装備準備の完全版
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添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は山梨県側から富士山を目指す「吉田ルート」をご紹介します。日本最高峰・富士山には4つの主要な登山ルートがありますが、その中でもアクセスの良さと山小屋の多さから全登山者の半数以上が利用する、もっとも人気の高いルートが吉田ルートです。標高3,776メートルの頂を目指す旅は、単なる登山にとどまらず、江戸時代から続く富士信仰の歴史をたどる旅でもあります。

吉田ルートは山梨県富士吉田市に起点を持ち、世界文化遺産「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産である北口本宮冨士浅間神社から続く吉田口登山道と、富士スバルライン五合目からの登山道が六合目で合流する構成になっています。現在では多くの登山者が車やバスで五合目まで移動し、そこから山頂を目指すスタイルが主流となっていますが、麓の神社から歩いて登る古来の富士講登山の道も今なお残されており、歴史をたどりながら登山を楽しみたい方にも選ばれています。

2024年からは登山者の安全確保と環境保全を目的に、吉田ルートで通行規制が実施されています。2026年シーズンも基本的な仕組みは前年から大きな変更はなく、通行料の支払いと人数上限、ゲートの時間規制という3つの柱で運用される予定です。これから吉田ルートへの富士登山を計画する方に向けて、最新の規制内容と料金、歴史的背景、見どころまでを詳しくお伝えします。

項目内容
名称富士山吉田ルート(河口湖ルート)
所在地山梨県富士吉田市・南都留郡富士河口湖町
起点北口本宮冨士浅間神社(吉田口登山道)/富士スバルライン五合目
開山期間7月1日から9月10日(予定、気象や残雪により変動あり)
ゲート閉鎖時間14時から翌3時(山頂方向のみ通行不可、山小屋宿泊者を除く)
一日あたりの登山者上限4,000人(山小屋宿泊者を除く)
通行予約受付開始2026年4月27日
五合目へのアクセス富士急行線河口湖駅・富士山駅より登山バスを利用
富士登山オフィシャルサイト 吉田ルート通行料のご案内(2026年現在)
目次

吉田ルートを計画する上で知っておきたい注意点

登山客で混雑した富士スバルライン5合目
登山客で混雑した富士スバルライン5合目

吉田ルートは人気ルートであるがゆえに、混雑への備えが欠かせません。特に山の日前後の連休やお盆期間の週末は、一日あたりの登山者数が上限に近づきやすく、上限に達した日はその時点で入山ができなくなります。確実に登山したい場合は、平日や早朝の五合目出発を心がけることが有効です。

またゲートは午後2時から翌午前3時まで閉鎖され、この時間帯は山小屋宿泊者を除いて山頂方向への通行ができません。日帰りでの弾丸登山は、暗い夜間に体を高度に慣らす時間もないまま山頂を目指す強行日程になりやすく、高山病や低体温症のリスクが高まるとされています。山頂付近は真夏でも気温が0度前後まで下がることがあるため、山小屋で仮眠を取りながら高度順応をする1泊以上の行程が推奨されています。

通行料は1人1回4,000円で、全ルート共通の入山料です。事前予約システムでのクレジットカードまたはPayPay決済のほか、当日五合目窓口での現金払いにも対応していますが、現地窓口は現金のみの取り扱いとなる点には注意が必要です。

標高の高い富士山では、麓が晴れていても山頂付近だけ強風や霧に見舞われることがあり、天候の急変は登山計画そのものを左右します。出発前だけでなく登山中も気象情報をこまめに確認し、無理をしない判断を心がけることが安全な登山につながります。

富士講が刻んだ吉田ルートの歴史

富士山頂に位置する久須志神社の鳥居
富士山頂に位置する久須志神社の鳥居

吉田ルートの起点となる北口本宮冨士浅間神社は、1900年以上の歴史を持つと伝わる古社です。社伝によれば、景行天皇の時代に東方への遠征を終えた日本武尊がこの地から富士山を遥拝し、祠を建てて祀ったのが始まりとされています。その後、延暦7年(788年)に甲斐守であった紀豊庭が現在の境内地に社殿を造営し、富士山の神である木花開耶姫命を祀ったことで、現在の形の基礎が築かれました。

この神社が全国的な信仰の拠点として大きく発展したのは、江戸時代中期以降のことです。当時、富士山への登拝を願う「富士講」が江戸を中心に爆発的な広がりを見せ、関東・中部から東北、近畿地方に至るまで各地に富士講が組織されました。富士講の開祖とされる長谷川角行は、厳冬の富士山中で荒行を積んだと伝えられており、境内には角行ゆかりの立行石も残されています。

江戸から吉田までは健脚でも片道3日、そこから山頂までの往復にさらに2日を要したといわれ、合計8日間にも及ぶ大旅行でした。庶民がこれほどの時間と費用をかけて富士登拝を果たすため、講の仲間で費用を積み立て、代表者を選んで参詣させる仕組みが発達しました。北口本宮周辺には、こうした富士講の参詣者を迎える「御師」の宿坊が最盛期には百軒近く軒を連ねていたと伝わります。

富士山頂に位置する久須志神社
富士山頂に位置する久須志神社

現在の壮麗な社殿の多くは、富士講の一派である村上光清を中心とした「村上講」が、享保18年(1733年)から元文3年(1738年)にかけての6年間で行った大造営によるものです。拝殿や幣殿、神楽殿などは平成29年に国の重要文化財に指定され、境内にはこのとき植えられたと伝わる樹齢およそ1,000年の御神木「冨士太郎杉」が今もそびえています。麓のふじさんミュージアムでは、こうした富士講の歴史や登山道にまつわる資料が展示されており、登山前に立ち寄ると吉田ルートの奥行きをより深く感じられます。

毎年7月1日には夏山シーズンの幕開けを告げる「お山開き」が、8月26日・27日には日本三奇祭のひとつに数えられる「吉田の火祭り」が北口本宮冨士浅間神社で執り行われ、短い夏山シーズンを彩る行事として多くの人を集めています。夜には高さ約3メートルの大松明が幾つも焚き上げられ、通りが炎に赤く染まる光景は、富士山とともに歩んできたこの地域ならではの情景です。

吉田ルートと他の4ルートはどう違うのか

富士スバルライン5合目から見た富士山
富士スバルライン5合目から見た富士山

富士登山には吉田ルートのほかに、静岡県側の富士宮ルート・須走ルート・御殿場ルート、そして近年第5のルートとして知られるようになったプリンスルートがあり、それぞれ五合目の標高や距離、道の特徴が大きく異なります。吉田ルートが全登山者の約6割に選ばれる理由を知るには、他のルートと比較してみるとわかりやすくなります。

ルート五合目標高往復距離登り目安下り目安山小屋
吉田ルート2,305m約13.8km約6時間約4時間登山道に多数(下山道にはなし)
富士宮ルート2,380m約8.6km約5時間約3時間登山道・下山道の両方にあり
須走ルート1,970m約13.1km約6時間約3時間登山道・下山道の両方にあり
御殿場ルート1,440m約18.9km約7時間約3時間少ない
プリンスルート2,400m(富士宮口)約16.4km約6〜7時間約3時間少ない(途中に山小屋のない区間が長い)

※プリンスルートの距離・時間は、下山に御殿場ルートの大砂走りを利用した場合の目安です。

火山灰で砂地の様な富士山の須走ルート
火山灰で砂地の様な富士山の須走ルート

吉田ルートの最大の特徴は、山小屋の軒数の多さと、登山道と下山道が完全に分かれている点です。道中どこで体調を崩しても休憩や避難がしやすく、下山時にすれ違いの渋滞が起きにくい構造になっています。五合目から山頂までの区間には七合目・八合目に救護所が開設されることもあり、初めての富士登山でも対応の選択肢が多いルートといえます。

一方の富士宮ルートは、五合目の標高が主要4ルート中もっとも高く、距離も最短ですが、登山道と下山道が同じ一本道のため渋滞が起きやすく、短い距離で急激に高度を上げる分、高山病のリスクがやや高いとされています。須走ルートは五合目から樹林帯を抜けるルートで、下山時には火山砂礫の斜面を下る「砂走り」が楽しめる一方、本八合目から山頂にかけては吉田ルートと合流するため、その区間は混雑が生じやすくなります。御殿場ルートは主要4ルート中もっとも標高差が大きく距離も長い、経験者向けのルートです。

富士山の山頂にあるルートの案内板
富士山の山頂にあるルートの案内板

これらに加えて、近年注目を集めているのが「プリンスルート」です。2008年に当時の皇太子殿下(現在の天皇陛下)が富士登山の際に歩まれたことからこの名で呼ばれるようになった、富士宮ルートと御殿場ルートをつなぐ複合ルートで、富士宮口五合目から出発し、途中で宝永火口を横断して御殿場ルートの六合目に合流し、そのまま山頂を目指します。標高の高い富士宮口から登り始められる利点と、登山者の少ない御殿場ルートの静けさを併せ持ち、富士山最大の側火山である宝永山の迫力ある火口の景観も楽しめるのが魅力です。一方で、途中に山小屋のない区間が長く、分岐も多いため道迷いに注意が必要とされ、どちらかといえば富士登山の経験がある方向けのルートといえます。

このように比較すると、山小屋の多さ・道の分離・救護体制の充実という点で、吉田ルートは体力に自信のない方や初めて富士登山に挑戦する方にとって、もっとも計画を立てやすいルートであることがわかります。

山頂で味わうご来光(日の出)とお鉢巡りの絶景

富士山の山頂にある鳥居付近で迎えるご来光(日の出)
富士山の山頂にある鳥居付近で迎えるご来光(日の出)

山小屋で仮眠を取り、夜明け前に山頂を目指すご来光登山は、吉田ルートを歩く登山者にとって大きな目的のひとつです。雲海の彼方から太陽が昇る瞬間は、長い登山の疲れを忘れさせてくれる格別な光景です。空の色が刻一刻と変わっていく様子は、山小屋に一泊した登山者だけが味わえるご褒美ともいえます。

富士山の山頂から眺める火口
富士山の山頂から眺める火口

山頂に到着したあとは、火口の周囲をぐるりと一周する「お鉢巡り」もあわせて楽しめます。標高3,776メートルの剣ヶ峰をはじめ、火口を取り囲む峰々からの大パノラマを一望でき、登頂の達成感をより深いものにしてくれます。所要時間はおよそ90分前後で、体力と時間に余裕があれば、山頂での滞在をより充実したものにしてくれます。

山小屋選びと予約のポイント

富士山の山小屋から日没後に眺める下界
富士山の山小屋から日没後に眺める下界

吉田ルートの山小屋は例年、4月中旬から5月にかけて予約受付が始まり、人気の山小屋は受付開始後まもなく満室になることも珍しくありません。素泊まりのプランと2食付きのプランを用意している山小屋が多く、到着時間や翌朝の出発時刻に合わせて選べるようになっています。

山小屋を選ぶ基準は、五合目からの標高差だけではありません。翌朝のご来光をどのタイミングで迎えたいかによっても、選び方は変わってきます。山頂に近い山小屋を選べば山頂でのご来光に間に合わせやすくなりますが、その分五合目からの登山時間は長くなります。反対に中腹の山小屋であれば体力的な負担を抑えつつ、道中でご来光を迎える楽しみ方もできます。予約は各山小屋のウェブサイトを通じて行うのが一般的で、繁忙期ほど早めの行動が安心につながります。

山小屋に泊まる際は、宿泊施設としての性格が一般的なホテルや旅館とは大きく異なる点にも注意が必要です。個室ではなく、大人数で雑魚寝に近い状態になる相部屋が基本で、区切りのないスペースに布団や寝袋が並び、他の登山者と身を寄せ合うようにして仮眠を取る形になります。シャワーや浴場、歯ブラシ・タオルといったアメニティ類も用意されておらず、体を拭くシートや歯磨きシートなど、必要なものは各自で持参しなければなりません。

飲料水についても、山小屋で蛇口から自由に補給できるわけではない点に注意が必要です。標高の高い場所では水は貴重な資源であり、水道が引かれているわけではないため、飲料水は売店で購入するペットボトルでまかなうのが基本になります。スマートフォンなどの充電設備も、多くの山小屋では利用できず、コンセントを備えている山小屋であっても数に限りがあったり、有料であったりするため、モバイルバッテリーを用意しておくことが欠かせません。

一方でトイレについては、宿泊者であれば追加料金なしで利用できる山小屋がほとんどです。通りすがりの登山者が利用する際のチップ制とは異なり、宿泊代の中にトイレの利用分も含まれている形になるため、宿泊者は身軽な気持ちで利用できます。

吉田ルートの山小屋一覧

吉田ルートは富士登山の各ルートの中でもっとも山小屋が充実しており、五合目から山頂までおよそ20軒の山小屋が点在しています。ここでは合目ごとに、各山小屋の特徴を紹介します。標高や立地によって個性が異なるため、自分の登山計画に合った一軒を選ぶ参考にしてください。

五合目〜六合目の山小屋

佐藤小屋

吉田口登山道の五合目(標高約2,220メートル)に位置する、富士山で唯一通年営業を行っている山小屋です。麓から歩いて登る古道歩きの拠点として利用されるほか、宿泊者以外も食堂を利用できます。夏山シーズン以外の富士山に関わる登山者にとっても貴重な存在です。

里見平星観荘

吉田口五合目にある、天体望遠鏡を備えたユニークな山荘です。標高2,300メートル前後の澄んだ空気の中で星空観察が楽しめるため、登山だけでなく天体観測を目的に宿泊する人もいます。静かな環境でゆっくり過ごしたい方に向いています。

富士山みはらし

富士スバルライン五合目にある、五合目エリアで最大級の宿泊施設です。売店が充実しており、登山前に足りない装備や食料を買い足すのに便利です。天候がよければ南アルプスや八ヶ岳連峰まで見渡せる眺望も魅力です。

富士急雲上閣

富士スバルライン五合目に立つ施設で、プライバシーに配慮したカプセルホテルスタイルの客室を備えています。五合目で前泊して高度順応をしてから登り始めたい方に適しており、休憩スペースも利用できます。

七合目の山小屋

富士吉田ルート7合目の山小屋
富士吉田ルート7合目の山小屋

花小屋

標高2,700メートル、七合目の最初に現れる山小屋です。六合目から続く火山砂礫の道を登り切った場所にあり、ここから本格的な岩場が始まるため、体を標高に慣らす休憩ポイントとして最適です。小屋では守り本尊の不動明王が祀られており、焼印のデザインにもなっています。

日の出館

標高2,720メートルに位置する、幕末期から続く歴史ある山小屋です。建物が東向きのため、その名の通り美しいご来光を望めます。小屋の主人はプロの写真家でもあり、館内には富士山に咲く花などの写真が数多く飾られています。

七合目トモエ館

標高2,740メートルにあり、全室個室スタイルを採用している山小屋です。窓のある個室からはご来光を望むこともできます。地元富士吉田市のパン屋と提携したオリジナルのクリームパンとチャイが名物として知られています。

鎌岩館

標高2,790メートル、2016年に開業した比較的新しい山小屋です。個室や仕切り付きのドミトリーなど宿泊スタイルの選択肢が豊富で、全室にコンセントを完備しているため、プライバシーや充電環境を重視する方に人気があります。高度順応に適した標高にあることも特徴です。

富士一館

標高2,800メートル付近に位置し、2010年に全館リニューアルされた清潔感のある山小屋です。混雑しやすい八合目とは趣が異なる落ち着いた雰囲気で、ファミリー層や女性にも過ごしやすい宿として知られています。河口湖・甲府方面の夜景も楽しめます。

鳥居荘

標高2,870メートル、明治2年創業の老舗で、シンボルの赤い鳥居が目印です。鳥居の真正面から拝むご来光には定評があり、夜には東京方面の夜景や満天の星空も楽しめます。歴史と絶景を併せ持つ一軒です。

東洋館

標高約3,000メートル、七合目の最上部に位置する、記録に残るだけでも10代以上続く歴史ある山小屋です。「できるだけ地上と同じくらい快適な空間を」をコンセプトに設備が整えられており、大広間ではWi-Fiも利用できます。カマ岩尾根の上部にあり落石の危険が少ないことから、古くは「安全室」とも呼ばれていました。

八合目の山小屋

富士山の8合目にある山小屋
富士山の8合目にある山小屋

太子館

標高3,100メートル、聖徳太子が甲斐の黒駒に乗って富士山に登った際に休憩したと伝わる尾根に立つ山小屋で、名前もこの伝説に由来します。館内には八合目救護所が併設され、夏の最盛期には医師が24時間体制で常駐するため、高山病が心配な方にとって心強い存在です。水洗トイレをいち早く導入したことでも知られています。

蓬莱館

標高3,100メートル付近、五合目から山頂までのほぼ中間点にあたる位置に立つ山小屋です。七合目から続く岩場を登り切った場所にあるため、きつい区間を終えたあとの休憩・宿泊ポイントとしてちょうどよい立地です。

白雲荘

標高3,200メートルに位置する、宿泊を主体とした山小屋です。食事を取る広間や就寝スペースがきれいに整備されており、仕切りカーテン付きの寝床もあるため、女性やプライバシーを重視する方でも安心して休めます。ご来光前のコンディション調整に適した標高です。

元祖室

標高3,250メートル、富士講中興の祖といわれる食行身禄が入定した烏帽子岩のすぐそばに立つ、信仰の歴史と深く結びついた山小屋です。隣接する富士山天拝所では夏の間、神職が御札やお守りを授与しています。山頂まで1〜2時間の位置にあり、山頂でのご来光を狙う登山者に人気があります。

本八合目・八合五勺の山小屋

富士山の本8合目にある富士山ホテル
富士山の本8合目にある富士山ホテル

富士山ホテル

標高3,400メートルの本八合目にある、1号館・2号館・別館からなる大規模な山小屋です。須走ルートと合流した後の位置にあるため利用者が多く、首都圏から湘南方面まで見渡す夜景の美しさでも知られています。

本八合目トモエ館

標高3,400メートルにあり、各寝床にコンセントが用意されているため、山頂アタック前にスマートフォンをしっかり充電できます。七合目トモエ館と同じくパン屋と提携したオリジナルの「幻のアンパン」が名物です。山頂までは約90分の好立地です。

上江戸屋(胸突江戸屋)

本八合目、吉田ルートと須走ルートの合流地点に立つ山小屋です。両ルートの登山者が行き交う場所にあるため、別々のルートを登ってきたグループの待ち合わせにも便利な立地です。

御来光館

標高3,450メートル、八合五勺に位置する、登山道上で山頂にもっとも近い山小屋です。山頂までは60〜90分ほどで、ここに宿泊すれば山頂でのご来光にもっとも間に合わせやすくなります。夕暮れの影富士や、手が届きそうな満天の星空も魅力です。

山頂の山小屋

山口屋

山頂の久須志神社付近に立つ、吉田ルート側の山頂で宿泊できる山小屋です。日本でもっとも標高の高い場所にある宿泊施設のひとつで、営業期間が短く混雑しやすいため、宿泊を計画する場合は必ず事前予約が必要です。

山口屋支店

山口屋の支店として営業する、食堂・売店のみの施設です。宿泊はできませんが、メニューが豊富なため、登頂後の一服やお鉢巡り前の腹ごしらえに立ち寄る登山者で賑わいます。

下山道の山小屋

下江戸屋(八合目江戸屋)

八合目の下山道分岐点に立つ山小屋で、下山道ではここより下に山小屋が一軒もないため、下山前の最後の補給・休憩ポイントとして重要な存在です。すぐ手前には須走ルートとの分岐があり、ここで道を間違えると吉田ルート側へ戻れなくなるため、標識をよく確認して黄色表示の吉田ルートへ進むよう注意が必要です。

無理をしない登山計画 ~体力配分と勇気ある撤退~

富士山の最高峰である剣ヶ峰
富士山の最高峰である剣ヶ峰

富士山は標高差・気温差ともに日本の山の中でもっとも大きい部類に入り、登山全体を通じて非常に体力を消耗します。五合目から山頂までの標高差は1,400メートルを超え、麓の酷暑から山頂の氷点下近い寒さまでを一日で行き来することになるため、他の山を登った経験がある方でも侮らずに計画を立てることが大切です。

体力を最後まで残しておくために意識したいのが、登りと下りの体力配分です。よく「登りが3割、下りが7割」あるいは「登りが4割、下りが6割」ともいわれるように、下山は登り以上に体力と集中力を必要とする行程だと考えておくとよいでしょう。下りは足への衝撃が蓄積して疲労がたまりやすく、注意力が落ちたところで転倒や滑落につながるケースも少なくありません。登りの段階でペースを上げすぎず、下山に体力を残しておく意識を持つことが、安全な富士登山の基本になります。

高山病は、普段の登山ではあまり意識しない富士山特有のリスクです。標高が上がることで血中の酸素濃度が下がり、頭痛や吐き気、めまいといった症状が現れます。もっとも有効な対策は、富士山に来る前の体調管理にあります。日頃から軽い運動で体力をつけておくことに加えて、登山前日はしっかりと睡眠を取ることが欠かせません。睡眠不足の状態で登山を始めると高山病の症状が出やすくなるとされているため、前日は夜更かしを避け、体をしっかり休めた状態で五合目に到着することを心がけましょう。

そして、どれだけ準備を整えても、体調が思わしくないときは無理をしないことが最優先です。頭痛やめまいなどの症状が出た場合は、その場で高度を下げる勇気ある撤退(リタイア)が、なによりの安全対策になります。富士登山は山頂に立つことがゴールではなく、無事に五合目まで下山を終えて初めて達成といえるものです。「せっかくここまで来たから」という気持ちを一度脇に置き、自分と同行者の体調を最優先に判断することが、富士登山を気持ちよく終えるための一番のコツです。

準備しておきたい装備と持ち物

富士山の山頂にある山小屋
富士山の山頂にある山小屋

富士登山は他の一般的な山と違い、初めての方も多く訪れる一方で、標高3,776メートルという環境の厳しさは本格的な登山と変わりません。五合目のゲートでは、防寒具・上下セパレート式の雨具・登山に適した靴という3点の装備が確認され、揃っていない場合は登下山道を利用できない点にまず注意が必要です。

この3点に加えて、実際の登山では次のような持ち物も準備しておくと安心です。

  • ヘッドライト(夜間や早朝のご来光登山では両手が空くヘッドライト式が基本)
  • 手袋・ネックウォーマーなどの防寒小物
  • 使い捨てカイロ(ご来光待ちの冷え込み対策として、貼るタイプ・貼らないタイプの両方があると便利)
  • 帽子・サングラスまたはゴーグル(強い日差しや火山灰混じりの風から目や頭を守る)
  • 行動食(飴玉やチョコレート、ゼリー飲料など、少量で高カロリーかつ食べてすぐ元気が出るもの)
  • トイレ用の小銭(100円玉を多めに)
  • モバイルバッテリー(気温低下でスマートフォンの電池が消耗しやすいため)
  • 日焼け止め(標高が高く紫外線が強いため)

標高が急激に上がる富士登山では、約3割の登山者が何らかの高山病症状を経験するといわれています。五合目に到着したら体を慣らすための時間を取り、ゆっくりとしたペースで歩き始めることが対策の基本です。夏でも山頂付近は真冬並みの気温になるため、防寒対策を万全にして臨むことが安全な登山につながります。

ご来光(日の出)前は氷点下、下山時は酷暑という寒暖差に備える

ご来光に合わせ山頂に押し寄せる登山客の渋滞
ご来光に合わせ山頂に押し寄せる登山客の渋滞

吉田ルートの登山では、同じ一日の中で「氷点下の寒さ」と「真夏の暑さ」の両方を経験することになります。この寒暖差の大きさこそ、富士登山ならではの難しさであり、装備や服装の準備を怠ると体調不良に直結してしまう部分です。

山頂の気温は標高100メートルにつき約0.6度下がる計算になり、麓が真夏日で30度前後あっても、山頂の平均気温は7月・8月でも5度から6度程度にとどまります。さらにご来光を待つ夜明け前の時間帯は、山頂の気温が2度から3度まで下がることが多く、風が吹けば体感温度はそこからさらに下がって氷点下になることも珍しくありません。風速1メートルにつき体感温度は約1度下がるとされ、遮るもののない山頂で強風にさらされ続けると、真夏であっても低体温症のリスクが高まります。長時間立ち止まってご来光を待つ時間帯こそ、もっとも冷え込みが厳しくなるタイミングだと理解しておく必要があります。

一方で、五合目より下の麓や下山後に立ち寄る観光地は、真夏らしい強い日差しと蒸し暑さに包まれます。五合目自体も8月の平均気温はおよそ15度前後と過ごしやすいものの、登山口までのアクセスや下山後の移動では30度近い酷暑にさらされることになり、防寒具を着込んだままの装備では熱中症のリスクが高まります。つまり吉田ルートの1日は、氷点下に近い寒さと真夏の暑さという、両極端な気温差の中で行動する1日になるのです。

富士山の山頂でのご来光(日の出)
富士山の山頂でのご来光(日の出)

寒さ対策

ご来光(日の出)待ちの寒さに備えるには、重ね着による体温調節が基本です。速乾性のインナーの上にフリースなどの中間着を重ね、さらに防寒具として、風を通しにくいダウンジャケットやウィンドブレーカーを一番外側に着用します。手袋やネックウォーマーで首や手先を覆うことも、体感温度を大きく左右する重要なポイントです。山小屋で仮眠を取ったあと、寒さの厳しい時間帯に山頂へ向けて出発する場合は、出発前に防寒着をしっかり着込んでから小屋を出るようにしましょう。

暑さ対策

一方、五合目までの移動時や下山後の行程では、防寒着を着込んだままでいると汗をかきすぎて体力を消耗し、逆に脱水や熱中症のリスクを高めてしまいます。移動中は防寒着を脱ぎ着しやすいレイヤリングを意識し、帽子や日焼け止めで直射日光への対策をしたうえで、こまめな水分補給を心がけることが基本です。標高の低い区間ではこまめに休憩を取り、汗をかいたインナーはできるだけ早めに乾いたものへ着替えることで、体を冷やしすぎず快適に行動できます。

このように、吉田ルートの登山では「山頂は真冬、麓は真夏」という前提で服装計画を立て、重ね着で細かく体温調節できる準備をしておくことが、安全に登山を楽しむための大きなポイントになります。

雨対策・荷物・シューズで見落としがちな注意点

富士山の山頂から眺める山中湖と雲海
富士山の山頂から眺める山中湖と雲海

天候が急変しやすい富士山では、雨対策と荷物の持ち方、そして足元の装備が登山の安全性を大きく左右します。ここでは特に見落とされがちな3つのポイントを詳しく紹介します。

雨具はゴアテックスなど防水透湿素材を選ぶ

五合目のゲートでも確認される必須装備のひとつが、上下セパレート式の雨具です。選ぶ際に注目したいキーワードが「ゴアテックス」に代表される防水透湿素材です。雨を通さない防水性と、体から出る汗の蒸気を外へ逃がす透湿性を両立しており、長時間の行動で雨具の中が汗で蒸れてしまうことを防いでくれます。単なるビニール製のポンチョやレインコートでは、防水性はあっても蒸れがこもりやすく、汗冷えから低体温症につながる恐れがあるため、富士登山にはあまり向きません。また、ポンチョは裾が風にあおられやすく、岩場でのバランスを崩す原因にもなるため、上下が分かれたセパレートタイプのレインウェアを選ぶことが基本です。

雨具本体だけでなく、バックパックにも忘れずに雨対策を施しましょう。バックパック自体は防水加工されていても、縫い目やジッパー部分から水が浸入することがあるため、専用の「バックパックカバー」をかぶせておくと、中の着替えや電子機器をしっかり濡れから守ることができます。バックパックカバーは軽量でコンパクトに収納できるものが多いため、天候にかかわらず常に携行しておくと安心です。

荷物は両手が空くバックパックにまとめる

富士登山では、手荷物やショルダーバッグのように片手や片肩でぶら下げるタイプの荷物は厳禁です。吉田ルートの八合目から山頂にかけては岩がゴツゴツとした急な岩場が続き、手を使ってよじ登るような場面も出てきます。このとき両手がふさがっていると、とっさに岩や鎖につかまることができず、転倒や滑落のリスクが高まってしまいます。荷物は必ず背中に背負うタイプのバックパックにまとめ、常に両手が自由に使える状態を保つようにしましょう。バックパックの中身も、頻繁に取り出すもの(行動食や飲み物、手袋など)は上部やサイドポケットに入れておくと、立ち止まる回数を減らしながらスムーズに行動できます。

登山靴は必ず登山用のものを、久しぶりに使うシューズは特に点検を

富士山の登山道、特に八合目から山頂にかけては岩場が多く、足首をしっかり固定できるハイカットの登山靴やしっかりしたソールのトレッキングシューズが欠かせません。普段履きのスニーカーや街中用のシューズでは、ソールの溝が浅くグリップ力が不足するため、滑りやすい火山礫の道や岩場で足を取られやすくなります。

さらに注意したいのが、しばらく使っていなかった登山靴を久しぶりに履く場合です。登山靴のソールに使われているポリウレタン素材は、使用の有無にかかわらず年数の経過とともに空気中の水分と反応して劣化していく「加水分解」という現象を起こすことがあります。製造からおよそ5年前後が目安とされ、見た目に問題がなくても、登山の途中で突然ソールが剥がれてしまうケースが報告されています。特に長期間箱や靴箱にしまい込んでいた靴は劣化が進みやすいため、出発前には必ず靴底を指で押してみて硬さやひび割れがないかを確認し、少しでも不安がある場合は新しい靴に買い替えるか、登山用品店で点検を受けてから出発することをおすすめします。

トイレとチップ制度について

富士山のトイレは、環境保全のためチップ制(協力金制度)が取られており、利用のたびに1回200円(山頂のみ300円)を支払う仕組みになっています。富士山には下水道がなく、し尿をオガクズと混ぜて分解する「バイオ式」や、燃やして処理する「燃焼式」など環境配慮型のトイレが導入されており、これらの維持管理には多額の費用がかかるため、利用者からの協力金という形で運営が支えられています。

支払いは基本的に現金のみで、お釣りが出ない場合もあるため、100円玉を10枚程度用意しておくと安心です。使用済みのトイレットペーパーは備え付けのゴミ箱に捨てるルールになっているトイレも多いため、掲示された利用方法を確認してから使うようにしましょう。

山小屋の売店で購入できるもの

吉田ルートの各山小屋には売店が併設されており、登山中に不足した水や食料をその場で補うことができます。500ミリリットルのペットボトル飲料はおよそ500円、お菓子類は300円前後が目安で、輸送にかかる費用の分、麓の店舗より割高な価格設定になっています。カップ麺やうどん、丼ものといった食事メニューを提供している山小屋も多く、天候が荒れた際には小屋の中で食事を取りながら避難することもできます。

このほか、高山病が心配な方向けの携帯酸素(2,000円前後)や、富士登山の記念として人気の金剛杖(1,000円前後)、山小屋ごとに異なる図柄を押してもらえる焼印(300円から500円程度)なども販売されています。支払いは現金が基本で、クレジットカードに対応していない山小屋も多いため、食事代や買い物代を見込んで多めの現金を準備しておくことをおすすめします。

クレジットカード・電子マネー対応の最新状況

吉田ルートでの支払い方法は、場面によって対応状況が異なります。通行料4,000円については、事前予約システムを通じた決済であればクレジットカードまたはPayPayが利用できますが、当日五合目の受付窓口で支払う場合は現金のみの対応となります。電子決済を希望する場合は、登山当日でもオンライン予約システムから事前に手続きを済ませておく必要があります。

山小屋の宿泊予約については、近年オンライン予約が主流となっており、多くの山小屋で3Dセキュア(本人認証サービス)に対応したクレジットカードやPayPayでの事前決済が求められます。一方、現地に到着してからの追加料金の精算や、売店・食堂での支払いは、依然として現金のみという山小屋が少なくありません。六合目の山小屋のように、現地でのクレジットカード払いやキャッシュレス決済に対応する施設も徐々に増えていますが、標高が上がるほど通信環境が不安定になりやすく、キャッシュレス決済が一時的に利用できなくなる可能性もあります。

このような事情から、吉田ルートでは「事前に決済できるものはオンラインで済ませておき、現地では現金を中心に準備する」という考え方が基本になります。トイレのチップや売店での買い物に備えて、100円玉を中心とした小銭を多めに持参しておくと、キャッシュレス対応が万全でない場面でも困ることがありません。あわせて、高山病などで予定を変更し、途中の山小屋に急きょ宿泊することになった場合の費用にも備えて、小銭とは別にまとまった現金も用意しておくと安心です。

飲料水はどのくらい持って行くべきか

富士山の最高峰である剣ヶ峰に登る人々
富士山の最高峰である剣ヶ峰に登る人々

吉田ルートを1泊2日で登る場合、必要とされる水分量の目安はおよそ2リットルから3リットルです。標高が上がるにつれて気圧が下がり、空気も乾燥するため、平地にいるとき以上に体から水分が失われやすくなります。体内の水分が不足すると血液の循環が悪くなり、酸素が体の隅々まで運ばれにくくなることで、高山病の発症リスクが高まるとされています。そのため、富士登山では喉の渇きを感じる前に、こまめに少しずつ水分を補給することが基本です。

ただし、この2〜3リットルという量は、あくまで登山全体を通じて必要になる総量であり、すべてを最初から背負って出発するための量ではありません。ここが富士登山の水分計画でもっとも誤解されやすいポイントです。水は1リットルでおよそ1キログラムの重さがあり、2〜3リットルをまとめて担ぐと荷物全体が2〜3キログラム以上重くなります。ただでさえ標高差1,400メートル以上を登る行程で、この重さが積み重なると体力の消耗が早まり、途中で歩くペースが大きく落ちてしまいます。その結果、荷物を軽くするために水を捨てざるを得なくなったり、体力切れによって登頂を断念してリタイアすることになったりと、かえって安全な登山から遠ざかってしまう恐れがあります。

そこで重要になるのが、出発時に持参する量を1リットル程度にとどめるという指標です。目安としては、500ミリリットルのペットボトルを2本ほど持って出発し、なくなったら道中の山小屋で買い足すというイメージを持つとわかりやすいでしょう。吉田ルートは山小屋の数が多く、道中で水を買い足す機会に困らないため、最初から全量を背負う必要がありません。まず1リットルを持って身軽に出発し、減った分を山小屋の売店で購入しながら歩くことで、荷物の重さを最小限に抑えつつ、必要な水分量を無理なく確保できます。逆に2リットルを超える量を最初から担いでしまうと、重さが体力を奪う原因になるため、あまりに荷物が重い場合は、状況に応じて同行のスタッフやガイドから、行動中に水を減らすよう案内されることもあります。

なお、山頂付近は気温が低いため、冷たい水をたくさん飲むこと自体がつらく感じられ、つい水分補給を控えてしまいがちです。この点は富士山ならではの落とし穴で、寒いからと水分を我慢してしまうと、知らないうちに脱水が進んでしまいます。山頂には温かい飲み物に対応した自動販売機も設置されているため、冷たい水が飲みにくいと感じたときは、温かい飲料に切り替えて水分と体温の両方を補うとよいでしょう。

また、持参する飲料は水を基本にすることも大切なポイントです。お茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、飲むほどにトイレへ行きたくなる回数が増えてしまいます。吉田ルートの下山道のようにトイレの間隔が空く区間では、頻繁にトイレに行きたくなること自体が大きな負担になりかねません。水分補給を目的とするなら、カフェインを含まない水やスポーツドリンクを選び、お茶は必要最小限にとどめておくのが安心です。トイレの回数を気にして水分そのものを控えるのはかえって危険なので、我慢せずにこまめな水分補給を心がけましょう。

五合目までのアクセス方法

雲海が広がった富士スバルライン5合目駐車場
雲海が広がった富士スバルライン5合目駐車場

吉田ルートの五合目である富士スバルライン五合目へは、新宿から高速バスを利用するルートが最も一般的です。新宿からは季節運行の直行バスが出ているほか、まず富士急行線の河口湖駅または富士山駅まで移動し、そこから登山バスに乗り換える方法もあります。マイカー規制期間中は五合目までの自家用車の乗り入れが制限されるため、河口湖駅や富士山駅周辺の駐車場に車を停め、バスに乗り換えるパークアンドライドが基本の移動手段となります。

登山口までの移動時間に余裕を持たせておくと、当日の混雑や交通状況に左右されにくくなり、登山開始前の体力を温存できます。前泊で河口湖エリアや富士吉田エリアに宿泊し、翌朝早い時間に五合目へ向かう計画を立てる登山者も多く見られます。到着後すぐに歩き始めるのではなく、五合目でしばらく体を高地の空気に慣らしてから出発するひと手間が、その後の行程を快適にしてくれます。

合わせて訪れたい周辺の観光スポット

北口本宮冨士浅間神社

吉田口登山道の起点となる神社で、太い杉や桧に囲まれた参道の奥に、木造としては日本最大級の大鳥居がそびえます。登山前後の参拝はもちろん、境内の重要文化財建造物や樹齢1,000年の御神木を巡るだけでも見応えがあります。

忍野八海

富士山の伏流水が長い年月をかけて湧き出る8つの池が点在する景勝地です。透き通った湧水と、その先に広がる富士山の眺めは、世界遺産の構成資産のひとつにも登録されています。池のまわりには茅葺き屋根の水車小屋や食事処が並び、散策しながら富士山麓の風情を味わえる、登山前後の休憩に立ち寄りやすいスポットです。

河口湖

富士五湖のひとつで、湖畔から望む富士山の姿は写真スポットとしても人気です。湖面に富士山が映り込む「逆さ富士」が見られる日には、多くの人がカメラを構えます。遊覧船やロープウェイ、湖畔のカフェなど、登山の前後に立ち寄って景色を楽しめるアクティビティも充実しています。

ふじさんミュージアム

富士吉田市歴史民俗博物館として、富士講や登山道の歴史に関する資料を数多く展示しています。吉田ルートの背景を知ってから登山に臨みたい方におすすめです。

周辺のおすすめ宿泊施設

富士マリオットホテル山中湖

世界的ホテルチェーン、マリオット・インターナショナルが運営するリゾートホテルです。山中湖畔から少し離れた静かな森の中に位置し、40平方メートルを超えるゆとりある客室と、山中湖温泉を引いた大浴場・露天風呂を備えています。落ち着いた環境でゆっくりと登山の疲れを癒やしたい方に向いています。

富士マリオットホテル山中湖

富士マリオットホテル山中湖

料金・空室状況を確認:

THE KUKUNA

河口湖畔に立つ全室レイクビューのラグジュアリーリゾートです。展望館の客室にはウォーターテラス付きの温泉露天風呂を備え、部屋にいながら河口湖と富士山を一望できます。河口湖駅からも車で数分とアクセスがよく、登山バスの乗車拠点にも近い立地です。

THE KUKUNA

THE KUKUNA

料金・空室状況を確認:

星のや富士

富士山麓の国立公園内に位置する、日本初のグランピングリゾートです。森に抱かれたキャビンで自然との一体感を味わいながら、非日常のアウトドア体験を楽しめます。登山前後にゆったりとした時間を過ごしたい方や、記念日の滞在にもふさわしい一軒です。

星のや富士

星のや富士

料金・空室状況を確認:

まとめ

富士山の須走ルートから眺める雲と下界
富士山の須走ルートから眺める雲と下界

古くは富士講の人々が麓の御師の宿坊から歩いて頂を目指した吉田ルートは、江戸時代から続く富士講の歴史を今に伝える北口本宮冨士浅間神社を起点に持ち、山小屋の多さと道の整備状況から初めての富士登山にも選びやすいルートです。2026年シーズンも通行料4,000円と人数上限、ゲートの時間規制が設けられているため、事前予約や装備の準備を整えたうえで、余裕を持ったスケジュールで登山に臨むことをおすすめします。

登山の拠点選びに迷ったら、河口湖駅から車で数分とアクセスがよく、部屋から富士山と河口湖を一望できるTHE KUKUNAを拠点にすると、登山バスへの乗り継ぎもスムーズで滞在中の移動が楽になります。前泊で温泉に浸かって体を休め、翌朝早い時間に五合目へ向かえば、余裕を持ったペースで登山をスタートできるでしょう。ご来光とお鉢巡りの絶景を目指して、歴史ある吉田ルートでの富士登山をぜひ計画してみてください。

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