最上稲荷|日本三大稲荷に数えられる岡山の名刹〜縁切りと縁結びの両参り・見どころ・アクセスガイド

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最上稲荷|日本三大稲荷に数えられる岡山の名刹〜縁切りと縁結びの両参り・見どころ・アクセスガイド
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添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は岡山県岡山市北区の「最上稲荷(さいじょういなり)」を取り上げます。「もがみいなり」と読み間違えられることもありますが、正しい読み方は「さいじょういなり」です。京都の伏見稲荷、愛知の豊川稲荷と並んで日本三大稲荷のひとつに数えられる(諸説あります)、岡山県屈指の参拝スポットです。正式名称は「最上稲荷山妙教寺」という日蓮宗の寺院でありながら、境内には鳥居が立ち、本殿は神宮形式という、全国でも珍しい神仏習合の姿を今に残しています。初詣には正月三が日で約60万人が訪れ、県内最多の人出を誇る名刹の魅力を、歴史から見どころ、周辺観光まで詳しく紹介します。

項目内容
施設名最上稲荷(最上稲荷山妙教寺)
参拝時間境内は参拝自由(祈祷受付は5:30〜16:30、売店「幸運ショップゆかり」は9:00〜16:30)
定休日なし
住所岡山県岡山市北区高松稲荷712
アクセスJR桃太郎線(吉備線)備中高松駅からタクシーで約5分(徒歩約40分)|岡山自動車道 岡山総社ICから車で約10分

境内への入場は無料で、庭園「寒松庭」のみ拝観料が必要です。

目次

参拝前に知っておきたい注意点

最上稲荷山妙教寺の入口
最上稲荷山妙教寺の入口

最上稲荷は龍王山の山麓に位置しており、公共交通機関だけで気軽に行ける立地ではありません。最寄りのJR備中高松駅から境内までは約2kmあり、徒歩では40分ほどかかります。タクシーなら約5分で到着しますが、駅前に常時タクシーが待機しているとは限らないため、時間に余裕を持った計画が安心です。

また、初詣シーズンの混雑は県内随一です。正月三が日には約60万人が訪れるため、周辺道路では交通規制が実施され、参道や境内も長時間の行列となります。大晦日の夜から元日にかけてが混雑のピークで、静かに参拝したい場合は正月4日以降、あるいは早朝の時間帯が向いています。節分豆まき式などの大きな行事の日も同様に混み合います。

境内は山の斜面に沿って高低差がありますが、エレベーターが設置されており、足の不自由な方や小さな子ども連れでも参拝しやすい環境が整っています。奥の院や八畳岩まで足を延ばす場合は登山道を歩くことになるため、歩きやすい靴を用意しておくと安心です。

1250年余りの歴史〜天皇の病気平癒から始まった信仰

最上稲荷の歴史は奈良時代にさかのぼります。寺伝によれば、天平勝宝4年(752年)、報恩大師に孝謙天皇の病気平癒の勅命が下り、大師は龍王山中腹の八畳岩で祈願を行いました。すると白狐に乗った本尊「最上位経王大菩薩」が降臨し、天皇は快癒したと伝わります。その後の延暦4年(785年)には桓武天皇の病気平癒も祈願によって成就し、天皇の命により現在の地に「龍王山神宮寺」が建立されました。

戦国時代には、羽柴秀吉(豊臣秀吉)による備中高松城水攻めの戦火で堂宇を焼失します。しかし本尊のお像だけは八畳岩の下に移されて難を逃れ、慶長6年(1601年)、新たに領主となった花房氏が関東から日円聖人を招いて霊跡を復興しました。このとき寺名を「稲荷山妙教寺」と改め、今日の興隆の礎が築かれました。

特筆すべきは、明治の神仏分離令の際に、特別に神仏習合の祭祀形態を許されたという点です。廃仏毀釈の波が全国の寺社を襲うなか、最上稲荷は岡山県内で唯一その影響を免れたといわれ、お寺でありながら鳥居を構え、しめ縄の架かる神宮形式の本殿を持つという、日本の信仰の原風景ともいえる姿を守り続けています。神社なのかお寺なのかと迷う参拝者も多いのですが、その「どちらでもある」姿こそが最上稲荷の最大の個性です。

全国でも珍しい「縁切り」と「縁結び」の両参り

最上稲荷の縁の末社
最上稲荷の縁の末社

最上稲荷が広く知られる理由のひとつが、旧本殿の周囲に並ぶ七十七末社のひとつ「縁の末社」です。ここでは良縁を結ぶ「縁結び」と、悪縁を絶つ「縁切り」の両方を祈願でき、この二つを一度に参拝できる場所は全国的にも希少です。

ここでいう縁は男女の仲に限りません。仕事や学業などの良縁成就はもちろん、人間関係のこじれ、病気、断ちたい悪癖といった諸々の悪縁を絶つ祈願も含まれます。悪い縁を断ってから新しい良縁を迎えるという順序で参拝する「両縁参り」は毎月7日(1月を除く)に行われており、僧侶から正式な参拝作法を教わることもできます。人生の節目や環境を変えたいタイミングで訪れる参拝者が絶えないのも頷けます。

圧倒的なスケールを誇る見どころの数々

高さ27.5mの大鳥居

最上稲荷の大鳥居
最上稲荷の大鳥居

吉備平野の田園地帯にそびえる大鳥居は、最上稲荷のシンボルです。昭和47年(1972年)に建立された鉄筋コンクリート製で、高さ27.5m、柱の直径4.6m、総重量は2800tという壮大な規模を誇ります。平成26年(2014年)の改修で鮮やかなベンガラ色に塗り替えられ、遠くからでもひときわ目を引きます。備前焼の大鳥居として知られるのは倉敷の由加神社本宮などですが、最上稲荷の大鳥居は色は似ているものの、備前焼ではありません。車で参道へ向かう際、この鳥居をくぐる瞬間が最上稲荷参拝の始まりです。

本殿(霊光殿)と最上三神

最上稲荷の本殿(霊光殿)
最上稲荷の本殿(霊光殿)

昭和54年(1979年)に完成した本殿(霊光殿)は、間口・奥行・梁高がいずれも24mという大建築です。中央に本尊の最上位経王大菩薩、向かって左に水を司る八大龍王尊、右に福徳を授ける三面大黒尊天が祀られ、あわせて「最上三神」と呼ばれています。賽銭箱の脇にあるおみくじは、江戸時代から使われている版木を元に刷られているという歴史あるもので、参拝の記念に引く人が多く見られます。

旧本殿(霊応殿)と七十七末社

最上稲荷の旧本殿(霊応殿)
最上稲荷の旧本殿(霊応殿)

本殿の奥に建つ旧本殿(霊応殿)は、寛保元年(1741年)に再建された境内最古の木造建築で、岡山市の重要文化財に指定されています。中世神社様式の重厚な佇まいは、神仏習合の歴史を物語る貴重な遺構です。周囲には本尊に仕える七十七の諸天王を祀る「七十七末社」が並び、厄除け、安産、縁結びなど、それぞれ異なる役割を持っています。各末社に名前とご利益を記したプレートが掲げられているので、自分の願いに合った神様を探しながら巡るのも一興です。

有料エリア「寒松庭」〜桃山様式の石組が伝える降臨の物語

本殿の脇に広がる庭園「寒松庭」は、桃山様式を基調とした枯山水庭園で、大ぶりな石を大胆に配した豪快な石組が特徴です。庭の最も高い位置には黒松を背負うように立つ中心石があり、これが寒松庭における本尊石にあたります。その手前には石で流れを表した枯滝があり、御本尊・最上位経王大菩薩の慈悲が絶えず注がれ、麓の池を潤す様子を表現しています。

枯滝の中ほどで流れを覆うように据えられた大石は、最上尊が降臨したと伝わる「八畳岩」を、その左上に立つ影向石は報恩大師のもとへ降り立つ最上尊の姿を、それぞれ石に見立てたものです。池にせり出す礼拝石の前に立つと、この降臨の場面をそのまま目にするような構図で庭全体を見渡せます。

礼拝石のたもとには蓮の花をかたどった大きな水鉢が置かれ、清らかな水をたたえて仏教における清浄の世界を表現しています。そのそばに植えられたチシャノキは、高僧を意味する「智者」という言葉の響きに通じることから、この庭に選ばれたと伝えられています。

拝観には別途料金が必要です(料金は前出の表を参照)。境内の中でも特に趣向を凝らした一角であり、静かに庭を眺める時間を持ちたい参拝者に向いています。

インド殿堂様式の仁王門

最上稲荷の仁王門
最上稲荷の仁王門

昭和33年(1958年)に再建された仁王門は、インドの殿堂様式を取り入れた石造りという全国でも珍しい建築です。かつての門が山火事で焼失した経験から、燃えない石材で建て直されたという経緯があり、平成21年(2009年)には登録有形文化財に指定されました。門の内部では金色に輝く仁王尊像と白狐像が参拝者を迎えます。

八畳岩と奥の院

旧本殿の西側から龍王山(標高286m)の登山道を登ると、本尊が降臨したと伝わる霊地「八畳岩」に至ります。岩の上部が八畳ほどの広さであることからこの名が付き、眼下には備中高松城址をはじめとする吉備平野の眺望が広がります。さらに15分ほど登れば奥の院に到着します。境内には秀吉が水攻めの際に陣を敷いたと伝わる「一の丸」跡もあり、歴史好きにはたまらないエリアです。

参道の門前町

最上稲荷の参道入口
最上稲荷の参道入口

大鳥居から仁王門へと続く参道には、土産物店や飲食店など約50軒が軒を連ねる門前町が広がります。名物のゆずせんべいをはじめ、昔ながらの参道グルメを味わいながら歩けば、参拝の余韻も一層深まります。

あわせて訪れたい周辺スポット

備中高松城址公園

高松城址公園の遊歩道
高松城址公園の遊歩道

最上稲荷の南、車で約5分の場所にあるのが、羽柴秀吉の水攻めで知られる備中高松城の城址公園です。天正10年(1582年)、秀吉は堤防を築いて城を水没させるという前代未聞の兵糧攻めを敢行し、城主・清水宗治は城兵の命と引き換えに湖上で自刃しました。本能寺の変の報を受けた秀吉がここから「中国大返し」を開始したことでも知られ、日本史の転換点となった舞台を静かな公園として散策できます。

最上本山 御瀧 龍泉寺

最上稲荷と同じ龍王山の一帯にある日蓮宗の寺院で、車で約5分の距離です。境内には水行場として知られる御瀧があり、豊かな自然に囲まれた静寂な空間が広がります。最上稲荷の賑わいとは対照的な、山寺らしい落ち着いた雰囲気を味わえます。

吉備津神社

吉備津神社の拝殿
吉備津神社の拝殿

車で約10分、桃太郎伝説のモデルとされる吉備津彦命を祀る備中国一宮です。比翼入母屋造の本殿と拝殿は国宝に指定されており、山の斜面に沿って約400m続く廻廊は圧巻の景観です。最上稲荷と合わせて巡れば、吉備路の歴史と信仰を一日で深く体感できます。

最上稲荷参拝に便利なホテル

最上稲荷へは岡山駅周辺を拠点にするのが便利です。岡山駅からは車で約25分、電車とタクシーを乗り継いでも40分ほどでアクセスでき、倉敷や吉備路方面への観光にも動きやすい立地です。

ホテルグランヴィア岡山

JR岡山駅に2階連絡通路で直結するシティホテルです。雨の日でも傘いらずでチェックインでき、新幹線利用の旅程に組み込みやすいのが大きな魅力です。19階のダイニングでは岡山県産食材を使った朝食ブッフェが評判で、最上階からの眺望とともに一日を始められます。チェックアウトが12時とゆとりがあるのも嬉しいポイントです。

ホテルグランヴィア岡山

ホテルグランヴィア岡山

料金・空室状況を確認:

ANAクラウンプラザホテル岡山

世界的ホテルチェーンIHGホテルズ&リゾーツ系列のホテルで、JR岡山駅西口から屋根付き連絡橋で徒歩2分という好立地です。全220室に独自の快眠プログラムを導入しており、20階の和食ダイニングでは岡山の街並みを見下ろしながら、県産卵のオムレツや郷土料理えびめしを含む朝食ブッフェを楽しめます。

ANAクラウンプラザホテル岡山

ANAクラウンプラザホテル岡山

料金・空室状況を確認:

ダイワロイネットホテル岡山駅前

JR岡山駅後楽園口から徒歩約1分、地下通路直結でアクセスできるホテルです。客室は広めで清潔感があり、機能的な設備が揃っているとリピーターからの評価も高い一軒です。繁華街や商業施設にも近く、参拝後の食事や買い物にも困りません。コストパフォーマンスを重視する旅に向いています。

ダイワロイネットホテル岡山駅前

ダイワロイネットホテル岡山駅前

料金・空室状況を確認:

まとめ〜神仏習合の祈りが息づく吉備路の名刹へ

最上稲荷で名物のゆずせんべい店
最上稲荷で名物のゆずせんべい店

最上稲荷は、1250年余りの歴史を持つ信仰の地であると同時に、鳥居とお寺が共存する日本でも希少な神仏習合の景観を今に伝える場所です。縁切りと縁結びの両参り、圧巻の大鳥居、江戸時代の版木で刷られるおみくじ、秀吉の水攻めゆかりの史跡と、見どころは尽きません。参道の門前町でのんびり食べ歩きを楽しみ、周辺の備中高松城址や吉備津神社まで足を延ばせば、吉備路の歴史を丸ごと味わう一日になります。

宿泊は岡山駅直結のホテルグランヴィア岡山を拠点にすれば、最上稲荷へも倉敷方面へも動きやすく、旅の計画がぐっと立てやすくなります。岡山を訪れる際は、悠久の祈りが息づくこの名刹をゆっくりと歩いてみてはいかがでしょうか。

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