地獄を覗けるなら覗いてみたいと思いませんか?千葉県に地獄のぞきという観光スポットがあります。地獄のぞきという地名とは裏腹にそこに広がる絶景や見応えのある大仏はSNS映えスポットで人気です。今回は地獄のぞきのご紹介、アクセス方法や駐車場も合わせてお届けします。
地獄のぞき岬で震え上がる
房総半島を一望できる絶景ポイント、千葉県鋸南町の鋸山にある「地獄のぞき」標高329mの鋸山には、日本一を誇る日本寺大仏、百尺観音や千五百羅漢など見どころ満載!天気のいい日は素晴らしい景観を山頂から眺めることができます。地獄のぞきで震え上がるだけでなく、山頂へ向かう間も地獄が続くと言われる鋸山。今回は、皆さんを地獄へご案内させて頂きます。
地獄のぞき岬とは
千葉県鋸南町にある鋸山、山全体が日本寺というお寺になっています。その日本寺境内にある「地獄のぞき」は切り立った岩肌が前にせり出している絶壁のこと。この絶壁の前に立つと眼前に広がる大海原、空の美しさには思わず息を飲むのですが、足元を覗くとゾッとしてしまう程の高さに震え上がる人も!地獄のぞき岬は別名「高所恐怖症殺し」との呼び名もあります。
せり出た絶壁の先端近くまで行ける「地獄のぞき」目の前に広がる三浦半島や東京湾は美しく、しかし、そっと下を覗き込む姿は、まさに地獄を覗くようなスリルを味わうことができ、絶好のSNS映えポイント。記念写真を撮る人でごった返しています。また、絶壁には手すりがついているのですが、頼りがいがあるとは言い難いという人もいるので注意して下さい。
日本寺とは
千葉県鋸南町にある曹洞宗の寺院である日本寺は、今から1300年程前に聖武天皇の勅詔を受けて名僧・行基が開山した勅願所でもあるお寺です。関東圏では日本寺が最古の勅願所と言われており鋸山の南側、約10万坪余りを境内としています。参道などは整備されていると言っても、山で階段の昇降が多いため、参拝の際には歩きやすい靴で出掛けて下さい。
過去に採石場としても有名だった鋸山は見どころもたくさんあります。日本寺には奈良の大仏の1.5倍もある日本寺大仏を見ることができ、千五百羅漢、百尺観音の観光スポットも点在しています。また、切り取られた岩肌が緑に囲まれた様はまるでジブリの世界だという人も多く、不思議の国に迷い込んだような幻想的な景観を見ながらの登山も人気です。
鋸山(通称:地獄のぞき)の由来
房州石の産地として知られる千葉県房総半島は、良質な石材が採石できることでも有名です。鋸山も江戸時代には石切り場として多くの石切職人が訪れ、切り出して行ったと言われています。ギザギザした尖った岩のような形に採石した為、いつの頃か「鋸山(のこぎりやま)」と呼ばれるようになったと言います。
地獄をのぞいたらどんな感じか気になりませんか?こんな感じです。誰もが察すると思われるのですが、落ちたら人生終わり、気がついたら天国だったと言うことにならないよう、覗く際には十分気をつけて下さい。鋸山の展望台とも言われる「地獄のぞき」なのですが、日本各地を探してもここまでスリルを味わえる展望台も少ないのではないかと思います。
地獄のぞきに岬行くまでが地獄
地獄のぞきは、参拝、観光、アウトドアファンと多くの人に人気の観光スポットですが、標高329mの鋸山の山頂に行くまでの道のりは地獄という人も多く、徒歩で登って行くならその道のりには二つの「車力道コース」と「観月台コース」というコースがあります。コースタイムは大体4〜5時間程となっております。時間に余裕のある時に出掛けて下さい。
ジブリの世界に迷い込んだような景色の鋸山、もののけ姫の舞台の中に迷い込んでしまったようですね。こだまやシシ神様に出会えそうな雰囲気さえ漂います。日本寺は表参道エリア、中腹エリア、大仏エリア、羅漢エリア、山頂エリアに分かれており、そのエリアごとに様々な顔を見せてくれます。拝観時間は、午前8時〜午後17時。拝観料は大人600円子ども400円です。
日本寺のご利益
千葉県でも有名なパワースポットとして知られる日本寺のご利益は、心身清浄・気力充実と言われております。叶えたい願いごとがある人、心身を清めたい人、気力を取り戻したい人は是非、日本寺を訪れ大仏さまや観音様からパワーを頂いてみてはいかがでしょうか。
地獄のぞき岬へロープウェイで
地獄のぞきには登山コースの「車力道コース」と「観月台コース」で山頂を目指す他にロープウェイで山頂にアクセスできます。山麓駅から出発し所要時間は4分程度となっております。切り立った岩肌はもちろんのこと、東京湾、富士山まで一望することができます。紅葉シーズンには多くの人でごった返すので公式ホームページで運行状態の確認を忘れずに!
ロープウェイの料金は、12歳以上の大人は片道500円、往復900円、小児は片道250円、往復450円となっています。ゆっくりと山歩きを楽しみならがら山頂を目指すのも良し、眼前に広がる絶景を楽しみながらロープウェイで山頂にアクセスしても素晴らしい景色と出会えるのではないでしょうか。
住所:千葉県富津市金谷4052-1
電話番号:0439-69-2314
地獄のぞき岬の見どころ1:百尺観音
千葉県、鋸山の見どころの一つ「百尺観音」はかつての採石場に掘られた観音様。大野甚五郎英令と弟子達が生涯を掛けて奉納しました。百尺(30m)もの大きさの観音様は、1966年に完成したと言われています。見上げるのにも苦労する程の大きさの観音様は必見の価値ありです。
千葉の鋸山にある百尺観音は、ここが日本とは思えない中国かインドの磨崖仏を見てるかのようなケタ違いなスケールに圧倒されます。第二次世界大戦の犠牲者の供養と陸海空の安全を祈願し、安全を守ってくれる観音様、地獄のぞきの旅が無事に終わるよう、参拝の際にはしっかり手を合わせましょう。
地獄のぞき岬の見どころ2:千五百羅漢
続きましての見どころは、千葉の鋸山メインルートに配置されている夥しい程の羅漢群です。正式名称「東海千五百羅漢」と言われる羅漢群は世界第一の羅漢霊場と言われており海外でも有名な観光スポットです。江戸時代後期から奉納された羅漢群の数は1553体で地獄のぞきに向かう途中、多種多様な羅漢様を見ることができます。
千五百羅漢は、日本寺のご住職(9世)だった高雅愚伝禅師が名工、大野甚五郎英令にお願いし21年掛けて奉納したと言われております。大野甚五郎英令とその弟子達27人が奉納した羅漢群なのですが、残念なことに明治の廃仏毀釈運動で多くの羅漢群の頭が破壊されてしまいました。
明治の廃仏毀釈運動で多くの羅漢群の頭が破壊されてしまった後、「羅漢様お首つなぎ事業」により多くの羅漢様の頭部が繋がれました。羅漢群をよく観察すると頭部と首の間に繋ぎ目を見ることができます。また、多くは復元できたのですが手つかずのまま、首のない「首無し羅漢」も多く見られます。
地獄のぞき岬の見どころ3:薬師瑠璃光如来
次なる見どころポイントは日本一の大仏様です。正式名称は薬師瑠璃光如来と言います。日本一の大仏と聞いて奈良県の東大寺や鎌倉の高徳院の大仏様を連想する人も多いと思うのですが、実は地獄のぞきにある日本寺大仏が、名実ともに日本一の大きさを誇る大仏様です。大きさは奈良の大仏(18.18m)、鎌倉大仏(13.35m)を遥かに凌ぐ31.05mです。
千葉にある地獄のぞきの日本寺大仏(薬師瑠璃光如来)は、千五百羅漢と同じく名工、大野甚五郎英令と弟子達により1783年に3年の月日を経て彫刻されたのが原型とされております。しかし、長い年月雨風に晒され風化してしまい、昭和44年に彫刻家・八柳恭次の指導の元、復元されました。
日本寺大仏の正式名称は薬師瑠璃光如来です。薬師瑠璃光如来は、薬壺を持ち病気を治す仏様として知られております。大医王、医王善逝とも呼ばれ、死後の平和を司るのではなく、悟りの境地で現世での一切衆生を苦しみから救済するというご利益があると共に世界平和の象徴とも言われています。
地獄のぞき岬の見どころ4:お願い地蔵尊
日本寺大仏の横にあるのが「お願い地蔵尊」です。様々なお願いごとを叶えてくれるというお願い地蔵尊。足元には無数の小さなお地蔵様が奉納されております。この小さなお地蔵様に氏名を書き願い事と共に参拝すると願いが叶うと言われております。あなたは何をお願いしますか?
地獄のぞき岬の見どころ5:ラピュタの壁
行くも地獄の千葉県にある地獄のぞき、地獄とは言うもののその道なりは観光スポットが点在としており、景観の素晴らしさに疲れも癒されます。江戸時代から明治時代にかけ建築用材、護岸工事用材、土木工事用材として盛んに切り出された採石場の切り立った岩肌はまるで遺跡の中を歩いているような感覚になるのではないでしょうか。
そんな、採石場を歩いていると現れるのが通称「ラピュタの壁」と言われるスポットです。その姿はジブリ映画「天空の城ラピュタ」の風景そのままだと大きな話題になり人気スポットの一つとなっております。ちなみに、Google Map上にも「ラピュタの壁」と記されております。秋には絶景の紅葉がみられそうな景観です。
地獄のぞき岬で御朱印を頂こう
せっかく日本寺に来たのなら御朱印を拝受してはいかがでしょうか。御朱印ブームと言われる今、御朱印ガール、御朱印巡りをしている人も多いと思われますが、日本寺では大仏エリアにある授与所で拝受することができます。関東九十一薬師霊場、結願札止め霊場となっており、代表である「大悲圓通閣」の御朱印の他に薬師瑠璃光如来も拝受できます。
地獄のぞき岬で紅葉狩り
秋、紅葉で出かけたいのが千葉県にある地獄のぞきです。紅葉の時期は、少し遅めの11月下旬から色づき始めます。山歩きをしながら紅葉を楽しみたい方には二つのコースがあります。一つ目のコースが切り出した石を運んだ「車力道コース」所要時間は4時間程度になります。6kmほどのコースは美しい苔で覆われ、秋になると見事な紅葉を見せてくれます。
もう一つのコースが、東京湾を見下ろしながら上る「観月台コース」となります。東京湾を眺めながら美しい紅葉を楽しむことができます。こちらのコースは、大人の足で山頂までの往復が5時間程度となります。鋸山は標高こそ低いのですが足場の悪い場所がところどころにあります。紅葉に目を奪われ転ばないよう注意して下さい。
地獄のぞきでお腹を満たす
ロープウエイの山頂には、山頂展望食堂と売店があります。食堂でのおすすめメニューは「かじめラーメン」地元の海藻を使用して作られています。海藻から溶け出したネバネバとトロトロしたスープが疲れた体に染み込みます。春の新緑、秋の紅葉、房総半島を一望できる絶景を眺めながらどうぞ召し上がって下さい。
売店では焼きたてのお団子、甘じょっぱさがたまらない塩ソフトクリームなどを食べることができます。お土産No.1はゴンドラパッケージのチョコロールクッキー、他にも千葉の名産品、落花生やびわのお土産など名産品やオリジナル商品を購入することができます。鋸山の思い出に是非!
地獄のぞきへのアクセスは
地獄のぞきへのアクセス方法、電車・バスでアクセスの場合は、JR東日本の内房線・浜金谷駅から徒歩8分で鋸山ロープウエイ乗り場へアクセスできます。ロープウェイは15分間隔で運行しており、所要時間4分です。山登りを楽しみたい人は、JR東日本の内房線保田駅から遊歩道車で地獄のぞきへアクセスして下さい。
また、浜金谷駅と保田駅共に神奈川の久里浜と千葉の金谷をつなぐ東京湾フェリーからも近く久里浜・東京湾フェリーで久里浜港~金谷港でのアクセスも可能です。車でのアクセスの場合は、館山自動車道木更津南ICから国道127号を館山方面へ、明鐘岬から鋸山道路を利用しアクセスして下さい。
地獄のぞきの駐車場は
地獄のぞきには4つの駐車場があります。1つ目、ロープウェイ乗り場に無料駐車場が1ヶ所あります。(ロープウエイ利用者のみ)乗用車200台、観光バス6台程度の駐車場となっております。2つ目の駐車場は、登山自動車道の駐車場です。こちらは、登山自動車道(有料)を登っていくと山の中腹にある駐車場です。
3つ目の駐車場は、有料道路専用山頂駐車場となります。(有料道路料金は1000円。)ロープウエイを使用せず、車でのアクセスに限るのですが、山頂駐車場へは大人数でくるとロープウエイの往復大人一人930円より割安で山頂まで上がることができます。4つ目の駐車場は鋸山観光自動車道を登ったところにあります。
住所:千葉県安房郡鋸南町元名184−4
電話番号:0470-55-1103
一度は行ってみたい「地獄のぞき」
地獄のぞきいかがでしたか?スリル満点の地獄のぞき、ドキドキ感がたまりません。また、歴史を感じる岩肌、百尺観音や千五百羅漢、日本一の大仏と地獄のぞきだけではなく、新緑や紅葉などたくさんの見どころがある鋸山こと日本寺。景観だけでなく歴史も学べ、大仏さまや百尺観音のパワーを頂きに是非、地獄のぞきに行き震え上がってみてはいかがでしょうか。