京都の紅葉観光完全ガイド|見頃時期と名所・穴場スポットを徹底解説

京都 紅葉スポット
  • URLをコピーしました!

京都は日本を代表する紅葉の名所として、国内外から年間数百万人もの観光客が訪れる世界的な観光都市です。古都の風情と鮮やかな紅葉が織りなす景観は、日本の秋を象徴する絶景として世界中で高く評価されています。この記事では、京都の紅葉名所の見頃時期や、定番から穴場まで幅広いスポット情報、効率的な観光コースまで、紅葉観光に必要な情報を詳しくご紹介します。

目次

京都の紅葉観光で知っておくべき混雑状況

京都の紅葉シーズンは、その美しさゆえに深刻な混雑問題を抱えています。特に11月中旬から下旬の週末は、有名スポットでは入場に1時間以上待つこともあり、道路も渋滞が常態化します。

永観堂や東福寺などの超人気スポットでは、見頃のピーク時には境内が人で埋め尽くされ、ゆっくり鑑賞することが困難になります。通天橋への入場待ちで大行列ができることも珍しくありません。京都市内の主要道路も渋滞し、移動に予想以上の時間がかかる場合があります。

混雑を避けるには、平日の早朝訪問が最も効果的です。開門直後の時間帯であれば、比較的落ち着いて紅葉を楽しめます。また、見頃のピークから少し時期をずらす、穴場スポットを中心に回る、公共交通機関を利用するなどの工夫も重要です。夜間のライトアップも、昼間ほどの混雑ではないため、幻想的な紅葉を楽しむ選択肢として検討する価値があります。

京都の紅葉が美しい理由と最適な鑑賞時期

京都の紅葉が特に美しいとされる理由は、盆地特有の気候条件にあります。昼夜の寒暖差が大きく、適度な湿度が保たれる京都の気候は、紅葉の色素であるアントシアニンの生成に最適な環境を作り出します。

京都市内の紅葉は、標高や場所によって見頃時期が異なります。標高の高い地域から順に色づき始め、市街地へと紅葉前線が下りてきます。例年、高雄や鞍馬・貴船エリアでは11月上旬から色づき始め、市街地の寺社では11月中旬から下旬が見頃となります。

最も多くのスポットで紅葉が楽しめるのは11月中旬から下旬です。この時期は、イロハモミジやオオモミジなど様々な種類のモミジが最も美しく色づき、京都全体が紅葉に包まれます。ただし、この時期は最も混雑するため、前述の混雑回避策を念頭に計画を立てることをおすすめします。

12月上旬でも、東寺や平等院など比較的標高の低い地域では見頃が続きます。また、散紅葉(ちりもみじ)を楽しめるのもこの時期の魅力です。

京都を代表する紅葉名所16選

永観堂(禅林寺)

「もみじの永観堂」として古くから親しまれる永観堂は、京都の紅葉スポットの中でも特に名高い寺院です。正式名称を禅林寺といい、貞観5年(863年)に創建された歴史ある浄土宗西山禅林寺派の総本山です。

境内の見どころ

永観堂の境内には約3,000本のイロハモミジとオオモミジが植えられており、見頃時期には境内全体が紅葉で包まれます。最大の見どころは、池泉回遊式庭園「放生池」周辺です。池を取り囲むように植えられた紅葉が水面に映り込む景色は、まさに絵画のような美しさです。

多宝塔は境内の最も高い場所に位置し、ここから京都市街を見下ろすことができます。朱色の塔と紅葉、そして京都の街並みが織りなす景観は、永観堂を訪れたら必ず見ておきたい絶景ポイントです。

御影堂に安置されている「みかえり阿弥陀如来」は、振り返る姿が印象的な本尊として知られています。この独特な姿には、念仏を唱えながら行道する永観律師を阿弥陀如来が振り返って「永観、遅し」と呼びかけたという伝説が残されています。

拝観情報

項目詳細
施設名永観堂(禅林寺)
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間9:00~17:00(16:00受付終了)
※秋の寺宝展期間中は9:00~16:00(17:00閉門)
拝観料一般600円、小中高生400円
※秋の寺宝展期間中(11月上旬~12月上旬)は一般1,000円
ライトアップ例年11月上旬~12月上旬に実施
17:30~20:30(21:00閉門)
拝観料:中学生以上700円
住所京都府京都市左京区永観堂町48
アクセス地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩15分
市バス「南禅寺・永観堂道」下車徒歩3分

東福寺

東福寺は、永観堂と並ぶ京都を代表する紅葉名所です。臨済宗東福寺派の大本山として、京都五山の第四位に列せられる格式高い禅寺で、約2,000本のモミジが広大な境内を彩ります。

通天橋からの眺望

東福寺最大の見どころは、本堂と普門院、開山堂を結ぶ通天橋です。橋の上から見下ろす「洗玉澗(せんぎょくかん)」の紅葉は、まるで紅葉の海のような圧巻の景色を作り出します。この景観はテレビCMや観光ポスターにも頻繁に使用され、京都の紅葉を象徴する風景として広く知られています。

通天橋からの眺めは、朝日が差し込む早朝が特に美しいとされています。朝の柔らかな光に照らされた紅葉は、黄金色に輝き、一日の中で最も幻想的な雰囲気を醸し出します。

その他の見どころ

境内には25の塔頭寺院が点在しており、それぞれが趣の異なる庭園を持っています。一般公開されている塔頭も多く、通天橋とは異なる落ち着いた雰囲気の中で紅葉を楽しめます。

方丈庭園は、昭和の作庭家・重森三玲による近代禅宗庭園の傑作として知られています。「八相の庭」と呼ばれる4つの庭園からなり、紅葉の時期には現代的な庭園美と伝統的な紅葉美が融合した独特の景観を見ることができます。

拝観情報

項目詳細
施設名東福寺
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間9:00~16:00(16:30閉門)
※11月~12月第1日曜日は8:30~16:00
拝観料通天橋・開山堂:600円
方丈八相庭園:500円
共通券:1,000円
住所京都府京都市東山区本町15-778
アクセスJR奈良線・京阪本線「東福寺駅」から徒歩10分

嵐山・渡月橋周辺

嵐山は京都を代表する観光地であり、紅葉シーズンには特に多くの人で賑わいます。桂川に架かる渡月橋は嵐山のシンボルとして、四季を通じて美しい景観を提供しています。

渡月橋と嵐山の紅葉

渡月橋から眺める嵐山の紅葉は、赤・黄・橙・緑など様々な色彩が混在する独特の美しさを持っています。単色の紅葉ではなく、グラデーションを楽しめるのが嵐山の紅葉の特徴です。

最適な撮影ポイントは渡月橋の下流側で、橋と嵐山の両方をフレームに収めることができます。特に午後の西日に照らされた嵐山と渡月橋の組み合わせは、古都京都らしい風情ある写真を撮影できる絶好のシーンです。

周辺の観光スポット

嵐山公園では、川沿いを散策しながら紅葉を楽しめます。川面に映る紅葉も美しく、のんびりとした時間を過ごせます。

嵐山モンキーパークいわたやまでは、野生のニホンザルを観察できます。山頂からは京都市街を一望でき、紅葉と街並みを同時に楽しめる穴場的なビューポイントとなっています。

基本情報

項目詳細
施設名嵐山・渡月橋
見頃時期11月中旬~11月下旬
アクセスJR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩15分
嵐電「嵐山駅」からすぐ
阪急「嵐山駅」から徒歩5分

天龍寺

世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産であり、臨済宗天龍寺派の大本山として京都五山第一位に列せられる格式高い寺院です。

曹源池庭園

天龍寺最大の見どころは、国の史跡・特別名勝に指定されている曹源池庭園です。夢窓疎石作と伝わるこの池泉回遊式庭園は、嵐山を借景として取り入れた見事な景観美を誇ります。

池の周囲を彩る紅葉は、赤、黄、橙と多彩な色合いを見せ、水面に映る逆さ紅葉も必見です。大方丈の縁側から眺める庭園は、まるで一幅の絵画のような完成された美しさがあります。

法堂の雲龍図

法堂の天井には、加山又造画伯による「雲龍図」が描かれています。直径9メートルの円内に描かれた龍は、どの位置から見ても視線が合うように描かれており、「八方睨みの龍」として親しまれています。紅葉観賞と合わせて、この迫力ある龍の絵もぜひご覧ください。

拝観情報

項目詳細
施設名天龍寺
見頃時期11月中旬~12月上旬
拝観時間8:30~17:00(受付は16:50まで)
拝観料庭園(曹源池・百花苑):高校生以上500円、小中学生300円
諸堂(大方丈・書院・多宝殿):300円追加
住所京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
アクセス嵐電「嵐山駅」からすぐ
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩13分

常寂光寺

嵐山エリアの北部、小倉山の中腹に位置する常寂光寺は、比較的混雑が少ない穴場的な紅葉名所です。小倉百人一首ゆかりの地としても知られ、藤原定家の山荘「時雨亭」があったと伝わる歴史的な場所でもあります。

仁王門から多宝塔への参道

茅葺き屋根の仁王門をくぐると、紅葉のトンネルのような石段の参道が続きます。両脇から覆いかぶさるように色づいた紅葉は、訪れる人々を別世界へといざなうような神秘的な雰囲気を醸し出しています。

石段を登り切った先に建つ多宝塔は、重要文化財に指定されている美しい建築物です。朱色の塔と紅葉の組み合わせは絶好の撮影スポットとなっており、京都らしい風情ある写真を撮影できます。

展望からの景色

境内の最上部からは、嵯峨野一帯を見渡す絶景を楽しめます。眼下に広がる紅葉と京都の街並み、遠くには愛宕山を望むパノラマビューは、石段を登った疲れを忘れさせてくれる素晴らしい景観です。

拝観情報

項目詳細
施設名常寂光寺(じょうじゃっこうじ)
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間9:00~17:00(16:30受付終了)
拝観料高校生以上500円、小中学生200円
住所京都府京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
アクセスJR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩20分
嵐電「嵐山駅」から徒歩20分

厭離庵

厭離庵は、紅葉の時期のみ特別公開される希少な寺院です。藤原定家が小倉百人一首を編纂したとされる小倉山荘跡に建てられた庵で、歴史的な価値も高い場所です。

散紅葉の名所

厭離庵が特に有名なのは、苔の上に散り積もった紅葉、いわゆる「散紅葉(ちりもみじ)」の美しさです。緑の苔の上に赤や黄色の落ち葉が敷き詰められた光景は、まるで天然の絨毯のようです。

こじんまりとした境内ですが、手入れの行き届いた庭園と散紅葉が作り出す風情は格別です。見頃の後半、11月下旬から12月上旬にかけて訪れると、最も美しい散紅葉を見ることができます。

拝観情報

項目詳細
施設名厭離庵(えんりあん)
見頃時期11月中旬~12月上旬(散紅葉は11月下旬~12月上旬)
拝観時間9:00~16:00
拝観料500円
公開期間例年11月1日~12月上旬のみ公開
住所京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前善光寺山町2
アクセスJR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩20分
市バス・京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車徒歩10分

大悲閣千光寺

嵐山エリアの超穴場スポットとして知られる大悲閣千光寺は、渡月橋から保津川沿いに約2km上流へ進んだ場所にあります。訪れる人が少なく、静かに紅葉を楽しめる隠れ家的な寺院です。

保津峡を望む絶景

大悲閣は標高の高い場所に位置し、境内からは保津川と嵐山一帯を見下ろす壮大な景色が広がります。川沿いの山々が紅葉で彩られる様子を一望でき、京都市街とは異なる雄大な自然美を堪能できます。

角倉了以が開削した保津川の歴史を感じながら、静寂の中で紅葉を楽しめるのは大悲閣ならではの魅力です。境内まで続く山道は少し険しいですが、その分、訪れた者だけが味わえる特別な景観が待っています。

拝観情報

項目詳細
施設名大悲閣千光寺
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間10:00~16:00
拝観料400円
住所京都府京都市西京区嵐山中尾下町62
アクセス阪急「嵐山駅」から徒歩30分
渡月橋から川沿いに徒歩25分

南禅寺

京都五山の上、さらに別格に位置づけられる臨済宗南禅寺派の大本山です。禅寺として最高の格式を誇り、広大な境内には多くの見どころが点在しています。

水路閣と紅葉

南禅寺で最も人気の撮影スポットが、明治時代に建設されたレンガ造りの水路橋「水路閣」です。琵琶湖疏水の一部として今も現役で水を運ぶこの水路橋は、古都京都の中で異彩を放つ西洋風の建築物として知られています。

レンガのアーチと紅葉の組み合わせは、和洋が融合した独特の美しさを持っています。水路閣をくぐり抜ける際に見上げる視点や、横から全体を捉える構図など、様々なアングルで撮影を楽しめます。

三門と方丈庭園

日本三大門の一つに数えられる三門は、高さ22メートルの壮大な楼門です。紅葉の時期には、三門を額縁に見立てた紅葉の写真撮影が人気です。三門の上層に登ることもでき、そこからは京都市街と紅葉を一望できます。

方丈庭園は「虎の子渡しの庭」として知られる枯山水庭園で、江戸時代初期の代表的な庭園様式を今に伝えています。紅葉の時期には、白砂と岩、そして鮮やかな紅葉が織りなす禅的な美を堪能できます。

塔頭寺院の紅葉

南禅寺には多くの塔頭寺院があり、それぞれが趣の異なる庭園と紅葉を楽しめます。

南禅院は南禅寺発祥の地とされ、亀山法皇の離宮跡に建てられました。池泉回遊式庭園は鎌倉時代末期の作庭で、池の周囲を彩る紅葉が水面に映る景色は格別です。

天授庵は、枯山水庭園と池泉回遊式庭園の両方を持つ塔頭で、それぞれ異なる趣の紅葉を楽しめます。夜間にはライトアップも実施され、幻想的な雰囲気の中で紅葉鑑賞ができます。

拝観情報

項目詳細
施設名南禅寺
見頃時期11月中旬~12月上旬
拝観時間8:40~17:00(12月~2月は16:30まで)
拝観料境内無料
方丈庭園:600円
三門:600円
南禅院:400円
天授庵:500円
ライトアップ天授庵:例年11月中旬~下旬
17:30~20:45(21:00閉門)
拝観料:600円
住所京都府京都市左京区南禅寺福地町86
アクセス地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩10分
市バス「南禅寺・永観堂道」下車徒歩10分

源光庵

京都市北部の鷹峯に位置する源光庵は、「悟りの窓」と「迷いの窓」で知られる曹洞宗の寺院です。市街地から少し離れているため、観光客も比較的少なく、落ち着いて紅葉を鑑賞できる穴場スポットです。

二つの窓が作る額縁紅葉

源光庵の最大の見どころは、本堂に設けられた二つの窓越しに見る紅葉です。円形の「悟りの窓」は禅と円通の心、すなわち悟りの境地を表現しており、角形の「迷いの窓」は人間の生涯を象徴する四角い形で、生老病死の四苦八苦を表現しています。

この二つの窓を通して見る紅葉は、まるで額縁に入った絵画のように見え、SNS映えする写真スポットとして人気があります。窓の形が作る明確な境界線が、紅葉の美しさをさらに際立たせています。

境内の紅葉

本堂前の庭園も美しく色づき、イロハモミジやドウダンツツジが鮮やかな赤に染まります。境内全体が紅葉に包まれる様子は、静寂な禅寺の雰囲気と相まって、心安らぐ空間を作り出しています。

拝観情報

項目詳細
施設名源光庵
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間9:00~17:00
拝観料400円
住所京都府京都市北区鷹峯北鷹峯町47
アクセス市バス「鷹峯源光庵前」下車すぐ

大法院(妙心寺塔頭)

臨済宗妙心寺派の大本山・妙心寺の塔頭寺院である大法院は、春と秋のみ特別公開される知る人ぞ知る紅葉の名所です。

露地庭園の紅葉

大法院の庭園は「露地庭園」と呼ばれる茶庭で、武野紹鷗好みの茶室「仏殿」を中心に作庭されています。庭園全体が紅葉に包まれる様子は、他の寺院とは一味違った風情があります。

特筆すべきは紅葉の色の鮮やかさで、くすみのない純粋な赤、黄、橙が境内を彩ります。訪れる人が少ないこともあり、静寂の中でこの美しい紅葉を独占できる贅沢な時間を過ごせます。

抹茶と紅葉

大法院の拝観料には、抹茶と和菓子が含まれています。庭園を眺めながらいただく一服は、紅葉観賞をより特別なものにしてくれます。茶室の縁側に腰を下ろし、目の前に広がる鮮やかな紅葉を眺めながら過ごす時間は、まさに京都ならではの贅沢な体験です。

拝観情報

項目詳細
施設名大法院(妙心寺塔頭)
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間10:00~16:00(受付15:30まで)
拝観料800円(抹茶・菓子付き)
公開期間春(3月中旬~5月中旬)と秋(10月中旬~12月上旬)のみ
住所京都府京都市右京区花園大藪町20
アクセスJR嵯峨野線「花園駅」から徒歩8分
嵐電「妙心寺駅」から徒歩5分

貴船神社

京都市街から北へ向かう貴船は、標高が高く市街地より早めに色づき始める紅葉スポットです。水の神様を祀る貴船神社は、縁結びのパワースポットとしても知られ、特に女性から高い人気を集めています。

参道の紅葉と石段

貴船神社の本宮へと続く石段の参道は、両脇に立ち並ぶ朱塗りの灯籠と紅葉が織りなす幻想的な景色が見どころです。特に夜間のライトアップ時には、灯籠の明かりが紅葉を照らし出し、昼間とは全く異なる神秘的な雰囲気に包まれます。

貴船川沿いの紅葉も美しく、清流のせせらぎと紅葉の組み合わせは、市街地では味わえない自然美を感じさせてくれます。

本宮・結社・奥宮の三社参り

貴船神社は本宮、結社(ゆいのやしろ)、奥宮の三社から構成されており、それぞれを順番に参拝する「三社詣」が推奨されています。本宮から奥宮まで約1km、徒歩15分ほどの道のりですが、その道中も紅葉を楽しめる散策路となっています。

結社は縁結びの神様として特に信仰を集め、多くの参拝者が訪れます。水占みくじは、境内の御神水に浸すと文字が浮かび上がる人気の占いで、紅葉観賞と合わせて体験する価値があります。

拝観情報

項目詳細
施設名貴船神社
見頃時期11月上旬~11月下旬
参拝時間6:00~20:00(5月~11月)
6:00~18:00(12月~4月)
参拝料無料
ライトアップ例年11月上旬~下旬
夕暮れ~20:30
住所京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
アクセス叡山電鉄「貴船口駅」から京都バス「貴船」下車徒歩5分
または貴船口駅から徒歩30分

青蓮院門跡 将軍塚青龍殿

将軍塚は京都市街を一望できる東山の山頂に位置し、2014年に建立された青龍殿は、京都の新しい絶景スポットとして注目を集めています。

大舞台からの絶景

青龍殿に設けられた大舞台は、清水寺の舞台の約4.6倍という広さを誇ります。この舞台から眺める京都市街の panorama は圧巻で、眼下には京都タワーや京都御所、遠くには比叡山まで見渡せます。

紅葉の時期には、境内の紅葉と京都市街の夜景を同時に楽しめます。特に夕暮れ時から夜にかけては、街の灯りが徐々に灯り始め、昼とは異なる幻想的な景色を作り出します。

庭園と展望台

大舞台のさらに上には展望台が設置されており、ここからは大舞台越しに京都市街を眺める構図での撮影が可能です。境内の回遊式庭園も美しく整備されており、池の周囲を彩る紅葉を間近に鑑賞できます。

拝観情報

項目詳細
施設名青蓮院門跡 将軍塚青龍殿
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間9:00~17:00(16:30受付終了)
拝観料大人600円、中高生400円、小学生200円
ライトアップ例年10月下旬~12月上旬
17:00~21:30(21:00受付終了)
住所京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28
アクセス東西線「蹴上駅」からタクシー5分
市バス「東山三条」から青蓮院シャトルバス利用

高台寺

豊臣秀吉の正室・北政所(ねね)が秀吉の菩提を弔うために建立した高台寺は、祇園からも近い便利な立地にあり、多くの観光客が訪れる人気寺院です。

臥龍池の紅葉

高台寺の紅葉で最も見事なのが、臥龍池(がりゅうち)周辺です。池の周囲を取り囲む紅葉が水面に映り込み、鏡のように上下対称の美しい景色を作り出します。東山を借景とした庭園美と相まって、京都らしい雅な雰囲気を醸し出しています。

開山堂へと続く廊下「臥龍廊」は、龍が伏せている姿に似ていることからその名が付けられました。この臥龍廊と紅葉の組み合わせも、高台寺ならではの見どころです。

ライトアップの演出

高台寺の夜間ライトアップは、プロジェクションマッピングなど最新技術を取り入れた演出で知られています。池の水面に映る紅葉のライトアップは特に幻想的で、昼間とは全く異なる表情を見せてくれます。

拝観情報

項目詳細
施設名高台寺
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間9:00~17:30(17:00受付終了)
拝観料大人600円、中高生250円
ライトアップ例年10月下旬~12月上旬
日没後~22:00(21:30受付終了)
昼夜入替なし
住所京都府京都市東山区高台寺下河原町526
アクセス市バス「東山安井」下車徒歩7分
京阪「祇園四条駅」から徒歩15分

大覚寺

嵯峨天皇の離宮を寺院に改めた大覚寺は、「旧嵯峨御所」とも呼ばれる格式高い寺院です。嵐山の北側に位置し、平安時代の雅な雰囲気を今に伝えています。

大沢池の紅葉

大覚寺最大の見どころは、境内東側に広がる大沢池です。周囲約1kmのこの池は、中国の洞庭湖を模して造られたとされ、日本最古の人工林泉として知られています。

池の周囲を取り囲む紅葉は、赤や黄色に色づき、水面に映る「水鏡の紅葉」も見事です。風のない日には、池面が鏡のように紅葉を映し出し、上下対称の美しい景観を作り出します。

嵯峨菊展

紅葉の時期には、嵯峨菊展も同時開催されます。嵯峨菊は大覚寺で育種された伝統的な菊で、その独特の姿は古典的な美しさを持っています。紅葉と菊の両方を楽しめるのは、大覚寺ならではの魅力です。

拝観情報

項目詳細
施設名大覚寺
見頃時期11月中旬~11月下旬
拝観時間9:00~17:00(16:30受付終了)
拝観料大人500円、小中高生300円
大沢池エリア:別途300円
ライトアップ例年11月上旬~12月上旬
17:30~20:30(20:00受付終了)
大人800円
住所京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
アクセスJR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩20分
市バス・京都バス「大覚寺」下車すぐ

東寺

京都駅からほど近い東寺は、新幹線の車窓からも見える五重塔で有名な世界文化遺産です。高さ55mの五重塔は、木造建築としては日本一の高さを誇り、国宝に指定されています。

五重塔と紅葉

東寺の紅葉観賞の中心は、五重塔前に広がる瓢箪池(ひょうたんいけ)周辺です。池の周囲を彩る紅葉と、水面に映る五重塔の姿は、京都を代表する紅葉景観の一つとして広く知られています。

様々な角度から五重塔と紅葉の組み合わせを撮影できるため、写真愛好家にも人気のスポットです。特に夕暮れ時、西日に照らされた五重塔と紅葉の組み合わせは格別の美しさです。

ライトアップの幻想美

東寺の夜間ライトアップは、五重塔と紅葉を同時にライトアップする壮大な演出が特徴です。漆黒の夜空に浮かび上がる五重塔と、光に照らされた鮮やかな紅葉の対比は、昼間とは全く異なる幻想的な世界を作り出します。

拝観情報

項目詳細
施設名東寺
見頃時期11月下旬~12月上旬
拝観時間8:00~17:00(16:30受付終了)
拝観料境内無料
金堂・講堂:大人500円
宝物館・観智院:別途要拝観料
ライトアップ例年10月下旬~12月上旬
17:30~21:30(21:00受付終了)
大人1,000円、中学生以下500円
住所京都府京都市南区九条町1
アクセスJR「京都駅」八条口から徒歩15分
近鉄「東寺駅」から徒歩10分
市バス「東寺東門前」下車すぐ

平等院

京都市の南に隣接する宇治市に位置する平等院は、10円硬貨のデザインとしても知られる世界文化遺産です。藤原頼通が極楽浄土を表現して建立したとされる鳳凰堂は、日本を代表する建築物として国宝に指定されています。

鳳凰堂と紅葉

阿字池の中島に建つ鳳凰堂は、池に浮かぶように建てられた優美な姿が特徴です。紅葉の時期には、鳳凰堂の周囲が赤や黄色に色づき、平安時代の浄土思想を体現したような美しい景観を作り出します。

風のない日には、池の水面に鳳凰堂と紅葉が映り込み、上下対称の「逆さ鳳凰堂」を見ることができます。この景色は、平等院を訪れたら必ず撮影したい絶景ポイントです。

庭園の散策

池の周囲を巡る園路を散策しながら、様々な角度から鳳凰堂を眺めることができます。それぞれの角度で異なる表情を見せる鳳凰堂と紅葉の組み合わせを楽しめます。

平等院ミュージアム鳳翔館では、鳳凰堂の屋根を飾っていた国宝の鳳凰や、雲中供養菩薩像などの貴重な文化財を間近に鑑賞できます。

拝観情報

項目詳細
施設名平等院
見頃時期11月下旬~12月上旬
拝観時間庭園8:30~17:30(17:15受付終了)
鳳翔館9:00~17:00(16:45受付終了)
拝観料大人600円、中高生400円、小学生300円
鳳凰堂内部:別途300円(要予約または当日受付)
住所京都府宇治市宇治蓮華116
アクセスJR奈良線「宇治駅」から徒歩10分
京阪宇治線「宇治駅」から徒歩10分

効率的な紅葉観光おすすめコース

東福寺・南禅寺・永観堂コース

京都の紅葉名所を効率よく巡る王道コースです。いずれも見応えのある名所ですが、混雑も予想されるため、時間配分に注意が必要です。

コース詳細

午前中は混雑回避のため、朝一番で東福寺を訪問します。開門時間の8:30に到着するよう計画すると、比較的ゆっくり通天橋からの紅葉を楽しめます。東福寺の拝観には1時間半から2時間を見込んでください。

東福寺から京阪電車「東福寺駅」へ戻り、「三条駅」で地下鉄東西線に乗り換え「蹴上駅」で下車します。蹴上駅から南禅寺まで徒歩約10分です。

昼食は南禅寺周辺の湯豆腐料理店がおすすめです。奥丹や順正など、京都らしい雰囲気の中で名物の湯豆腐を味わえます。

午後は南禅寺を拝観します。水路閣、三門、方丈庭園を巡り、時間があれば南禅院や天授庵も訪れましょう。南禅寺の拝観には2時間程度を見込んでください。

南禅寺から永観堂までは徒歩約15分です。夕方の永観堂は西日に照らされた紅葉が特に美しく、写真撮影にも最適です。ライトアップを鑑賞する場合は、一度退出して再入場する必要があります。

所要時間

全体で6〜7時間程度を見込んでください。ライトアップまで鑑賞する場合は、さらに2〜3時間追加となります。

嵐山周辺満喫コース

嵐山エリアは紅葉だけでなく、竹林や寺社、グルメなど多彩な魅力を持つエリアです。一日かけてじっくり散策するコースです。

コース詳細

午前は天龍寺の開門時間8:30に合わせて訪問します。曹源池庭園をゆっくり鑑賞し、諸堂も拝観する場合は1時間半程度を見込んでください。

天龍寺の北門から出ると、すぐに竹林の小径へアクセスできます。早朝の竹林は観光客も少なく、幻想的な雰囲気を楽しめます。竹林を抜けて、常寂光寺へ向かいます。徒歩約15分です。

常寂光寺では、石段を登って多宝塔まで行き、展望台からの眺めを楽しみましょう。往復で1時間程度を見込んでください。

昼食は嵐山メインストリートに戻り、湯豆腐や京料理、あるいは嵯峨野名物の豆腐料理などを味わいます。

午後は渡月橋を渡り、川沿いを上流に向かって散策します。約30分で大悲閣千光寺に到着します。帰りは同じ道を戻るか、または渡月橋から大覚寺方面へ向かうコースも選択できます。

夕方は嵐山の展望台や、時間があれば嵐山モンキーパークを訪れるのもおすすめです。

所要時間

全体で7〜8時間程度を見込んでください。大覚寺まで足を延ばす場合は、さらに2時間追加となります。

貴船・鞍馬紅葉と温泉コース

市街地から離れた山間部の紅葉を楽しむコースです。自然豊かな景色と、夜は温泉でリラックスできる一日プランです。

コース詳細

午前は叡山電鉄「出町柳駅」から「貴船口駅」へ向かいます。鞍馬方面への展望列車「きらら」に乗車すると、車窓から紅葉を楽しめます。

貴船口駅からバスで「貴船」へ移動し、貴船神社の本宮、結社、奥宮を順に参拝します。三社参りで約1時間半を見込んでください。

昼食は貴船の川床料理がおすすめですが、秋季は川床営業していない店舗もあるため、事前確認が必要です。料理旅館で季節の会席料理を楽しむこともできます。

午後は鞍馬方面へ移動します。鞍馬寺の参拝や、鞍馬山のハイキングを楽しめます。体力に自信がある方は、鞍馬から貴船へ抜けるハイキングコース(約2時間)もおすすめです。

夕方から夜は貴船や鞍馬周辺の温泉旅館や日帰り温泉施設で、疲れを癒やします。貴船神社のライトアップを鑑賞してから温泉に入るプランも人気です。

所要時間

全体で8〜10時間程度を見込んでください。温泉でゆっくり過ごす場合は、1泊2日のプランもおすすめです。

京都紅葉観光を成功させるポイント

予約が必要な施設の確認

紅葉シーズンの京都では、一部の寺社で事前予約制や人数制限を実施している場合があります。特に人気の高い寺社や、ライトアップイベントは早めに満席になることがあるため、訪問予定の施設については事前に公式サイトで予約の要否を確認しましょう。

また、レストランや宿泊施設も早期に満室になります。特に週末や祝日に訪問する場合は、できるだけ早めの予約が必要です。

交通手段の選択

紅葉シーズンの京都市内は、道路の渋滞が深刻です。レンタカーやタクシーでの移動は、予想以上に時間がかかる可能性があります。

公共交通機関の利用が最も効率的です。京都市バス・地下鉄一日券(1,100円)や、京都観光一日乗車券などのお得な切符を活用すると、交通費を抑えながら効率的に移動できます。

嵐山方面への移動には、嵐電(京福電鉄)やJR嵯峨野線が便利です。貴船・鞍馬方面は叡山電鉄を利用します。

服装と持ち物

11月の京都は朝晩の気温差が大きく、日中は暖かくても朝晩は冷え込みます。脱ぎ着しやすい服装で、上着を持参することをおすすめします。

寺社の境内は石段や坂道が多いため、歩きやすい靴が必須です。特に常寂光寺や大悲閣千光寺など、山道を歩く場所では、スニーカーなどの運動靴が適しています。

カメラやスマートフォンの充電器、モバイルバッテリーも忘れずに持参しましょう。美しい紅葉を撮影していると、思いのほかバッテリーを消費します。

ライトアップの楽しみ方

夜間のライトアップは、昼間とは全く異なる幻想的な紅葉を楽しめます。ただし、夜は気温が下がるため、防寒対策が必要です。

ライトアップは日没時刻に合わせて開始されますが、開始直後と終了間際は比較的空いています。混雑を避けたい場合は、これらの時間帯を狙うのも一つの方法です。

三脚の使用は禁止されている施設が多いため、手持ち撮影でも綺麗に撮れるよう、ISO感度を上げるなどカメラの設定を事前に確認しておきましょう。

まとめ:京都の紅葉観光を満喫するために

京都の紅葉は、古都の歴史的な建造物と自然の美が融合した、世界に誇る景観です。見頃時期は11月中旬から下旬が中心ですが、場所によって色づきの時期が異なるため、訪問時期に合わせて最適なスポットを選ぶことが重要です。

混雑は避けられませんが、早朝訪問や平日の利用、穴場スポットの選択など、工夫次第で快適な紅葉観賞が可能です。有名スポットだけでなく、貴船や大悲閣千光寺のような穴場も訪れることで、より深く京都の紅葉美を堪能できます。

事前の情報収集と計画が、京都紅葉観光成功の鍵です。公式サイトで最新情報を確認し、予約が必要な施設は早めに手配しましょう。公共交通機関を活用し、歩きやすい服装で訪れることで、一日中快適に京都の紅葉を楽しむことができます。

古都京都の秋は、日本の美を凝縮した特別な季節です。この記事の情報を参考に、心に残る紅葉観光をお楽しみください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次