メロディーポイント(県道富士河口湖富士線)|富士山へ向かう道路が歌う、山梨県唯一の音楽スポット

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メロディーポイント(県道富士河口湖富士線)|富士山へ向かう道路が歌う、山梨県唯一の音楽スポット
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添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は、山梨県富士河口湖町にある「メロディーポイント(県道富士河口湖富士線)」を紹介します。カーナビの案内も観光ガイドの解説もなく、車を走らせているだけで路面から童謡が聞こえてくる、山梨県内で唯一のドライブスポットです。

メロディーポイントとは、道路の表面に一定間隔の横溝を刻むことで、走行中のタイヤと舗装面との摩擦音がそのままメロディーとなって聞こえてくる仕組みの道路のことです。山梨県ではこの区間が県内初の試みとして整備されました。設置区間は南都留郡富士河口湖町船津地内で、登り線・下り線それぞれ約350mにわたって溝が刻まれています。奏でられる曲は、道路が富士山の麓と富士山を結んでいることにちなみ、唱歌「ふじの山(あたまをくもの上に出し)」です。

項目内容
名称メロディーポイント(県道富士河口湖富士線)
通行可能時間制限なし(一般県道のため終日通行可)
通行止め特になし(一般県道の一区間のため、年間を通じて通行可能)
所在地山梨県南都留郡富士河口湖町船津地内(登り線・下り線各350m区間)
アクセス国道139号「スバル立体交差点」から富士山方面へ約2kmの地点(登り線)/富士山有料道路(富士スバルライン)料金所下の胎内洞窟入口交差点から国道139号方面へ約2.5kmの地点(下り線)
目次

訪れる前に知っておきたいこと

メロディーポイントの開始地点
メロディーポイントの開始地点

このメロディーポイントを美しく聴くには、いくつかの条件をそろえる必要があります。山梨県の案内によれば、時速50kmで走行した場合に約20秒間、最もきれいな音階が聞こえるとされています。設定速度からずれると音程やテンポが崩れてしまうため、法定速度を守りながら一定のペースを保つ運転が求められます。また、車内オーディオの音量を下げ、窓を閉めた状態で耳を澄ませることも欠かせません。

もう一つの注意点は、車両の種類によって聞こえ方が大きく変わることです。大型バスなどエンジン音の大きな車両では、タイヤと路面の摩擦音がエンジン音にかき消され、メロディーがほとんど聞こえない可能性があります。乗用車での通過が前提の仕掛けであることは、事前に理解しておくとよいでしょう。区間はそれぞれ350mと短いため、標識を見落とすとメロディーの始まりを聴き逃してしまう点にも注意が必要です。

「路面が歌う」技術はどこから生まれたのか

メロディーポイントの技術的な源流は、北海道標津町にあります。標津町と北海道立工業試験場、地元の建設会社である篠田興業が共同で開発を進め、平成16年(2004年)10月に町道・川北北七線で実験道路として全国に先がけて施工されました。この技術は「メロディーロードおよびメロディーロード設計プログラム」として、2011年3月25日に特許登録されています。

開発のきっかけは、建設機械が通った跡や横溝が刻まれた道路を走行した際に、タイヤの走行音がいつもと違って聞こえたことだったと伝えられています。この偶然の気づきから、溝の間隔で音階を、溝の切削幅で音量を調整するという着想が生まれ、道路そのものを「楽器」に変える技術へと発展しました。現在では全国に30数か所のメロディーロードが存在するとされており、山梨県のこの区間はそのうちの一つとして、富士山観光の玄関口に設置されています。

童謡「ふじの山」が聞こえる仕掛け

このメロディーポイントで奏でられるのは、文部省唱歌「ふじの山」です。富士山の麓と富士山山頂側を結ぶ道路にふさわしい選曲であり、登り線と下り線とでは異なる部分の旋律が流れるように設計されています。

登り線を走行すると、路面の八分音符マークと「この先富士山メロディーポイント」の標識を通過したのち、ト音記号の標識と「はじまり」の表示が現れ、そこから「あ〜たまをくもの〜」という歌い出しの部分が流れ始めます。前半にあたる第1章節から第2章節、「あたまをくもの うえにだし しほうのやまを みおろして」までの約20秒間を聴けます。

一方、下り線では「か〜みなりさまを〜」という後半部分、第3章節から第4章節「かみなりさまを したにきく ふじは にっぽんいちのやま」が流れます。上りと下りで異なる歌詞の部分を担当させることで、往復するだけで一曲を通して体験できるように工夫されている点が、このスポットならではの面白さです。

タイヤと路面が奏でる音のしくみ

メロディーポイントの道路標示
メロディーポイントの道路標示

メロディーポイントの音の正体は、車両が通過する際にタイヤと路面の溝との間で発生する摩擦音そのものです。道路表面には、音程に応じて計算された間隔で横方向の溝が刻まれており、溝と溝の間隔によって音階や音域が、溝の深さによって音の強弱が調整されています。ラテン打楽器の「ギロ」のように、規則的な凹凸をこすることで音程のある音を作り出す原理に近いものです。

複数のタイヤから同時に発生する音を、走行中の耳が自然と一つのメロディーとして認識できるのは、人間の脳が雑音の中から必要な音を選び取る「カクテルパーティー効果」が働くためだとされています。あらかじめ「ふじの山」という曲名を知った状態で走行すると、初めて聴くよりも一段と旋律がはっきり聞こえるという声も多く聞かれます。速度計を確認しながら時速50kmを保ち、車内を静かにして耳を澄ませてみると、単なる路面のノイズが童謡へと変わっていく瞬間を体感できます。

富士山観光の玄関口という立地の魅力

このメロディーポイントが設置されている区間は、富士山有料道路(富士スバルライン)の入り口へと向かう、いわば富士登山ドライブの起点にあたる道路です。マイカー規制がかかるのは料金所から五合目までの区間で、メロディーポイント自体はその手前の無料区間にあります。そのため、夏の富士登山シーズンで五合目までの一般車両通行が規制されている期間であっても、この区間自体は誰でも自由に走行してメロディーを楽しめます。

料金所を通過する前の区間にあるため、富士スバルラインを利用する予定がない人でも気軽に立ち寄れる点も魅力です。河口湖から富士山方面へ向かう車列に自然に組み込まれた形でメロディーポイントが設置されているため、富士登山の予定がない旅行者にとっても、河口湖観光の途中に無理なく体験できる立地となっています。

一定速度を保つことが生み出す副次的な効果

メロディーポイントは時速50kmという設定速度で最も美しく聞こえるように設計されているため、この区間を走行するドライバーは自然と法定速度を意識しながら走ることになります。メロディーを正確に聴きたいという興味が、結果として速度超過の抑制につながる仕組みになっている点は、単なる遊び心を超えた道路設計の工夫だといえます。急かされるように速度を上げたり、逆に極端に減速したりすると音程やテンポが崩れてしまうため、同乗者と一緒にメロディーを聴き分けながら走ること自体が、安全運転を促す体験になっています。

周辺スポット

メロディーポイントの周辺には、富士山と河口湖を望む観光スポットが点在しています。いずれも車で10分前後の距離にあり、メロディーポイントを体験する前後の移動時間に無理なく組み込めるため、河口湖エリアを巡るドライブコースの一部として立ち寄りやすい場所をあわせて紹介します。

〜河口湖〜 富士山パノラマロープウェイ

メロディーポイントから車で10分ほどの距離にあるロープウェイで、河口湖畔駅から富士見台駅までの約3分間、天上山からの富士山と河口湖の大パノラマを楽しめます。旧称「河口湖天上山公園カチカチ山ロープウェイ」としても親しまれてきた施設で、営業時間やアクセスの詳細は当サイトの富士山パノラマロープウェイ紹介記事でも取り上げています。メロディーポイントとあわせて訪れれば、車窓と山頂からの二つの視点で富士山を楽しむドライブコースが完成します。

山梨県立富士山世界遺産センター

河口湖畔にある展示施設で、世界文化遺産としての富士山の価値や、信仰・芸術の対象としての歴史をじっくり学べます。メロディーポイントから車で10分程度とアクセスも良く、ドライブの前後に立ち寄って富士山への理解を深めておすすめです。館内の見どころは当サイトの富士山世界遺産センター紹介記事でも詳しく取り上げています。

河口湖畔・河口湖大橋周辺

メロディーポイントから河口湖方面へ向かえば、湖畔の遊歩道や河口湖大橋からの富士山の眺めも楽しめます。天候に恵まれれば、湖面に映る「逆さ富士」を観賞できることもあり、ドライブの締めくくりに立ち寄るのにぴったりの場所です。売店やレストランも点在しているため、休憩がてらの散策にも向いています。

富士登山・吉田ルート(富士スバルライン五合目)

登山客で混雑した富士スバルライン5合目
登山客で混雑した富士スバルライン5合目

メロディーポイントが刻まれているのと同じ県道707号富士河口湖富士線を、料金所を越えてさらに山側へ進むと、富士登山で最も利用者が多い吉田ルートの起点、富士スバルライン五合目(標高約2,305m)に到着します。料金所からは車でさらに30分前後かかる距離ですが、富士登山で最も利用者が多い吉田ルートの起点です。開山期間は例年7月上旬から9月10日ごろで、通行料や人数規制、マイカー規制などが設けられるため、登山を予定している場合は事前に最新情報の確認が必要です。

吉田胎内樹型

吉田胎内樹型
吉田胎内樹型

937年の富士山噴火で形成された溶岩樹型で、国の天然記念物かつ富士山の世界文化遺産構成資産です。内部は常時非公開で、毎年4月29日の「吉田胎内祭」のみ公開されます。河口湖ICから車で15〜20分ほどの距離にあります。

河口湖エリアで泊まりたいホテル

富士山とメロディーポイントのドライブを楽しんだ後は、河口湖エリアで宿泊するのが便利です。富士山ビューの宿を3軒紹介します。

富士急ハイランド公式ホテルである「ハイランドリゾート ホテル&スパ」は、富士急ハイランドに直結し、優先入園などの特典が受けられるリゾートホテルです。日本最大級とされる純木造浴室「ふじやま温泉」の入館が宿泊者は無料になるほか、和洋の朝食・夕食ブッフェも用意されています。富士山ビューの客室からは、雄大な山容を望めます。

ハイランドリゾート ホテル&スパ

ハイランドリゾート ホテル&スパ

料金・空室状況を確認:

河口湖畔に立つ「THE KUKUNA」は、全室から河口湖と富士山を望める眺望が魅力のリゾートです。中央館・展望館・プラザ館の3つの棟があり、展望館の客室にはテラス付きの露天風呂も備わっています。最上階の大浴場からは、河口湖の湖面越しに富士山を一望できる開放的な湯あみが楽しめます。

THE KUKUNA

THE KUKUNA

料金・空室状況を確認:

「湖山亭うぶや」は、「人生を祝う宿」をコンセプトに掲げる河口湖畔の温泉旅館です。全室から富士山を望める設計になっており、大浴場・露天風呂・ラウンジなど館内のどこからでも雄大な富士山の姿を楽しめます。記念日や祝い事での利用に特化したサービスが充実している点も特徴です。

湖山亭うぶや

湖山亭うぶや

料金・空室状況を確認:

おわりに

メロディーポイントの道路看板
メロディーポイントの道路看板

メロディーポイントは、施設としての入場料も営業時間の制約もなく、通り抜けるだけで富士山観光の記憶に残る一場面を作ってくれる、山梨県ならではのドライブスポットです。時速50kmを保ちながら窓を閉め、車内を静かにして耳を澄ませば、路面から流れる「ふじの山」の旋律が、これから向かう富士山への期待感をいっそう高めてくれます。河口湖エリアで宿泊する場合は、富士山ビューが魅力の「ハイランドリゾート ホテル&スパ」をはじめとした宿を拠点にすると、周辺のロープウェイや世界遺産センターとあわせて、富士山北麓のドライブを効率よく組み立てられます。

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